2008.04.09
使われる方から使う方へ~マクドナルドのトクするケータイサイト
寺西 隆行
(株)Z会
昨日、マクドナルドの「トクするケータイサイト」のリニューアルのお知らせがケータイに届きました。メールの内容を簡単に示します。
きっとマクドナルドは
・いずれお客様の情報がいっぱい取れるようなサイトにする
という戦略があり
・そのために初期の段階で出来る限りの価値創造と、お客様の煩いを取り除く
という戦術が出来上がっていると思われます。
2.多くのお客さんを囲い込むことで、「やらないと損」という、他人との相対比較によるお客さんの損得勘定を生み出し、スイッチングを妨げる。
日本人は同質性を好みます。
また、「ケータイいじめ」なども(インフラ的に)可能になった現代の若者の間では、「同質でないと相手にされない怖さ」を感じ、一度同質性が形成されたものに対しては指数関数的に人間が寄ってくる傾向があると感じています。
マクドナルドのケータイクーポンは、昨年7月に会員数が500万人を突破しました。
今では中高生の4人に1人くらい以上、利用していると思われます。
「登録していると“物知り”に思われる」
から
「登録していないと“恥ずかしい”」
という人間心理を生み出す域に達するのももうすぐではないでしょうか。
この時点でマクドナルドの勝ち。
どれだけ煩わしさがあっても、登録するでしょうね。
これも「戦略」の中で「戦術」が動いていると感じます。
1、2から、最初は「(お客様に)使われる」側だったマクドナルドが「(お客様を)使う」側に回っていることがハッキリとわかります。
「(お客様に)選ばれる」から「(お客様を)選ぶ」、とも換言できるかもしれません。
「お客様のために」という精神論的なものばかりで戦略がないのもよろしくないですし、最初から企業目的が滲み出るような戦術もよろしくないです。
お客様の知らないうちに、お客様が引きづりこまれるようなマーケティングこそが、すばらしいですね。
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