ふるさと納税が順調に伸びている。発表によれば、令和4年度の実績は、約9,654億円(対前年度比:約1.2倍)、約5,184万件(同:約1.2倍)だという。 ふるさと納税とは、もともと「ふるさと納税で地方創生」「ふるさと納税で日本を元気に!」というキャッチフレーズにあるように、税制を通じてふるさとへ貢献する仕組み。 これによって、次の三つの大きな意義が達成されるとしていた。
ふるさと納税が順調に伸びている。発表によれば、令和4年度の実績は、約9,654億円(対前年度比:約1.2倍)、約5,184万件(同:約1.2倍)だという。
ふるさと納税とは、もともと「ふるさと納税で地方創生」「ふるさと納税で日本を元気に!」というキャッチフレーズにあるように、税制を通じてふるさとへ貢献する仕組み。
これによって、次の三つの大きな意義が達成されるとしていた。
- 第一に、納税者が寄附先を選択する制度であり、選択するからこそ、その使われ方を考えるきっかけとなる制度であること。それは、税に対する意識が高まり、納税の大切さを自分ごととしてとらえる貴重な機会になります。
- 第二に、生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる制度であること。それは、人を育て、自然を守る、地方の環境を育む支援になります。
- 第三に、自治体が国民に取組をアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、自治体間の競争が進むこと。それは、選んでもらうに相応しい、地域のあり方をあらためて考えるきっかけへとつながります。
もはや予算の主財源
こうしたもくろみで始まったふるさと納税だが、さまざまな声が聞こえてくる。
当然、ふるさと納税によって潤う市町村は多い。トップは宮崎県都城市で195億9千万円。トップランキングの常連で、令和5年の予算が968.5億円に対して、約2割がふるさと納税ということになる。2位は北海道紋別市で194億3千万円、令和5年の予算が463億円に対して、ふるさと納税がなんと半分に迫る勢いだ。3位は北海道根室市、5位には、何かと話題の大阪府泉佐野市が入っている。税収減に悩む地方にとっては、これほどの策はなかっただろう。
しかしながら、ふるさと納税には、返礼品というものがあり、自治体はただでもらえるものではない。国は返礼品にかかわる費用も公表しているが、返礼品の費用に加え、送付、事務作業など経費もかなり多い。平均すると46.8%もの経費がかかっているため、約200億集めても、実際に増収になるのは、約半分ということになる。返礼品の原価は平均27.8%だから、思いのほか、周辺の運営のための経費が多い。当然ながらそれも現金だ。
シャレにならない流出額
さらに大きな問題は、都会からの税金の流出だろう。
全国トップは横浜市で市民税の流出額は272億4200万円。名古屋市、大阪市と続き、川崎市(121億1500万円)が4位で、5位の東京都世田谷区は98億2300万円の区民税が流出した。6位にさいたま市(89億6900万円)が続いた。減収総額(流出総額)も約6798億円(6月1日時点の推計値)と過去最多となった。
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