「計画力」は、経済産業省が提唱した社会人基礎力(「前に踏み出す力・考え抜く力・チームで働く力」の3つで構成)の1つに挙げられており、ビジネスを行っていく上では欠かせない能力であると言えます。 では、計画力を身につけるためには、何が必要なのでしょうか。
ビジョンからアクションへの変換
目標は将来の達成した姿ですから、その状態へどのような活動(行動)をとればいいのか、静的状態から動的なアクションへ変換する作業が必要となります。
そこで、まず行ってほしいのが、「逆算思考」です。ビジョン(ゴール)の時点から、現在までを逆算してプロセスをたどってみます。
たとえば「イベントの成功」のためには、「集客人数の確保」「魅力的なコンテンツの確保」「プロモーション・ツールの完成」などたくさんのステップが想定できます。成功のためには、何が必要かの観点で考えます。ひとつのステップが生まれれば、その状態になるためには何が必要かを考えていきます。
そのときに、ひとつひとつのステップは必ずつながっている必要があります。インプットとアウトプットがつながっているからステップになるわけで、これをシステム思考と呼びますが、つながりのないステップを設定してしまうと、次の段階に進めなくなります。プロセス構築力というは、いかにこのつながりのあるステップを考えることができるかという能力になります。
こうして生まれたステップを今度は、WBS(Work Breakdown Structure)に落とし込みます。WBSとは、プロジェクト全体を作業や成果物といった要素で細かく分解した構成図のことです。
それぞれのステップに対して、どのようなタスク(活動)が必要なのかを洗い出していきます。
このタスクをいかに精度高く、効率的な活動に設定することができるかが、まさに計画のクオリティとなるところです。
最後に、どのタスクをいつ行動するのか、実際に活動計画としてスケジューリングをしていきます。その際、自分ではできないタスクや同時並行しなければならないタスクに関しては、ほかの人に委譲することになります。
計画力を磨くには
計画力を磨き、高めるためには、やはり実践をつんで経験値を増やしていくことしかないかもしれません。つまり、PDCAを回すことが一番の高める方法と言えそうです。
「P」を策定し実行(D)したあと、想定した結果と比較しながら、「P」の部分、ステップとタスクに問題はなかったのか、あるいはタスクの実行に問題がなかったのかを振り返ります(C)。そして、次のアクション(A)に結び付けていくサイクルを繰り返すことができれば、「計画力」は自然と身についていくでしょう。
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