米国のCPO(Chief Procurement Officer)の平均年収は$336,000、平均年齢は50歳、購買経験年数は20年。 購買部長の平均年収は$160,525、平均年齢は46歳、 購買経験年数は15年。日本でも購買専門職のゴールポジションの設定が今後始まるのではないか?
私が愛読しているメルマガの一つに
「現役バイヤーが語る今どきの営業とバイヤーのあり方」
があります。
このメルマガは小売現役バイヤーの藤野さんが書かれているもので、
同じバイヤー職であっても、製造系バイヤーと小売バイヤーに
違いや共通点の新たな発見があり、たいへん興味深いです。
今週のテーマは「バイヤーになる方法」という内容で
バイヤー、マーチャンタイザーの方たちがどういう経歴を持っているか、
という内容でした。
とても驚いたのですが
『「新卒で入社して最初からバイヤー」という経歴は一度も聞いたことがない』
『接客経験と、売場運営経験の有る方が80%』ということです。
正確に調査をした訳ではないのですが、
製造系の購買部、資材部、調達部の場合は、全く違ったデータになる筈です。
私の感覚では「営業」→「購買」という職歴を持つ人は多分全体の数%、
また、新卒から「購買」に配属されて、3年後に異動、
もしくはそのままずっと「購買」という方が
全体の6割程度なのではないか、と思います。
また最近は職種別採用がより進んでおり、入社以来ずっと「購買」
という方はこれからも増加する傾向だと思います。
同じ「物を買う」という仕事なのに、何でこんなに違うのでしょうか?
小売バイヤーの場合「売れる物を仕入れる」のがその役割ですし、
ある意味「接客経験」「売場運営経験」がないと機能しないでしょう。
「売れる」かどうかは理論だけでなく感性に頼るところもあり、
それらは属人的な能力です。
属人的な能力の成長は現場経験やOJTに頼らざるを得ないのでしょう。
そのためある程度の経験者、それも販売の経験が必要、というのは頷けます。
一方で製造系バイヤーの場合、
昔から考えると大分仕事の内容は変わりつつあるものの
「販売」→「企画」→「設計」→「製造」→「購買」という流れの中で
決められた物を如何に上手く買うのか、ということに
視点があてられていることは確かだと思います。
また一方で「新人」でも、その道20年の「ベテラン」でも
基本的なビジネスマナーから、品目ナレッジ、コミュニケーション力、
サプライヤ評価、BS/PLの見方から経営指南まで、
同様のスキルや知識を求められます。
つまり「新人」の勉強の場としてはうってつけです。
それなりの理由があって、それぞれの経歴特性の違いがでているのでしょう。
ただどうでしょう。敢えて言うのであれば、製造系バイヤーは
もっと営業マインドや経験を持っていてもよい筈です。
もっと言えば、入社後、経理、人事、生産管理、営業、企画などの
各職種をローテーションして
入社5-6年後にキャリアゴールの購買専門職に従事する→
マネジャークラスで子会社のマネジメントで出向→親元に戻り購買部長へ。
というようなキャリアはあり得ないでしょうか?
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。