ついに東京の人口が、前年を下回ったという。これはまぎれもなく新型コロナウイルス感染拡大による、テレワークや在宅勤務の推進、つまり都心のオフィスに行かなくてもよくなったことなのだろう。
テレワークの問題として、上司への報告や事案に対する意思決定、コミュニケーションの不足による仕事の停滞などを挙げる人は多いが、すでに確固たるバリューチェーンができていて、状況に応じた意思決定が常に行われているのであれば、オフィスワークであろうがテレワークであろうが、仕事のプロセスとしては大きな問題はない。しかるべき人がしかるべきときに意思決定を行うシステムができているからだ。
多くの中小企業や小規模事業者は、バリューチェーンはあるものの、その場対応の的確な意思決定や例外的で臨機応変な業務が必要なケースが多く、テレワークの場合、そこに問題が出ることのほうが多い。
また、オンラインミーティングとひとことで言っても簡単ではない。人がひしめく多くの中小企業おオフィスで、それぞれのメンバーがそれぞれにオンラインミーティングを行うには、かなり難しいものがある。デスクにてフリーに声が出せる環境のオフィスであれば問題ないが、デスク上でのオンラインミーティングはまず不可能だろう。基本ミュートにしておかないとオンラインミーティングはできないし、そういうミーティングで何かが生まれるとは思いにくい。
話はずれてしまったが、テレワークの環境をどこで築くのかを判断するのは、自分のおかれているビジネスにおいて、どのようなバリューチェーンで価値が生まれているのかをもう一度確認してからの方が良い。
もちろん、生活面のこともよくよく考えるべきだ。
都会のたくさんのエンターテイメントや文化、充実した飲食など、仕事中心の仲間との適度な距離感など、都会に住むメリットは、挙げればきりがない。
純粋に地方暮らしが合っているという人はいるだろうが、趣味や何かを始める機会は圧倒的に都会のほうが多い。
2拠点に住まいを持つことができる裕福な人はまったく問題ないが、テレワークだからどこでもできる、テレワークのほうが自分に向いている、少しでも広く安いほうが良いと、短絡的に遠方を探すのもいいが、自分の仕事がなぜテレワークでも問題ないのか、なぜ成立しているのか、その本質を見極めてからでも遅くはない。
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