CIO主導?現場主導?どちらの業務改革も私は大嫌いだ!

2008.03.21

経営・マネジメント

CIO主導?現場主導?どちらの業務改革も私は大嫌いだ!

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

敢えて言います。私は「CIO主導の業務改善」というのも、「現場主導の業務改善」というのも、どちらもイデオロギー的な気がして、嫌いです。イデオロギーはどうでもいいから、業務効率を最適化して、よりキャッシュが残るようにするだけだと思うのです。

 それと、エンロンショックに伴う、SOX法、内部統制強化というのも、システムコンサルティング会社&CIOにとって、プレゼンスメイキングの機会になりましたね・・・。

 「内部統制強化で売上が上がる!」という宣伝文句を見かけました。笑いを通り越して、呆れました。確かに、システムコンサルティング企業にとっては、売上増のチャンスではありますが・・・。

 CIOにも、予算がつきやすいでしょう。効率を悪化させない内部統制を実現できた!というCIOの方がいたら、見てみたいですね。たいていはモチベーションの低下と、業務効率の悪化をもたらしていると思いますが。

 批判的にCIO概念を見てきましたが、CIO概念、米国型コンサルティングファームによる業務改善へのカウンターとして、現場主導の業務改善があります。たいてい、トヨタ式改善などを旗印にしています。現場の人間の視点による改善こそ、業務効率を向上させるのだ!という主張です。

 いわゆる、全体最適と、部分最適の議論にすり替わりやすい概念ですけどね。

 各プロセスの大きさにもよりますが、どこまでが現場なんでしょうかね?どこからが、ヘッドクオーターなんでしょうか?

 作業者の方のレイヤが現場でしょうか?それとも、各プロセスのマネジャーぐらいまででしょうか?

 その上のディレクターも現場なのでしょうか?

 各プロセスの効率はそのプロセスを管掌するマネジャーの能力に依存すると私は思います。プロセス間のマネジャーの能力差が大きければ、際立ったボトルネックの発生をもたらすと思います。

 マネジャー間の能力差を生じさせない調整は、その上のディレクターがやればいいと思います。

 プロセスがあまりに長い場合はどうするんだ?と言うかもしれません。

 確かに、プロセスが長ければ、人間の認識範囲を越えますね。こういう時にトップダウン論に傾きますね。いわゆるCIO主導で!と言いますけど、業務範囲が人間の認識範囲を超える場合、トップダウンでやっても、ITをテコにしようとしても、結局、中間レイヤでの齟齬が生じます・・・。

 その齟齬を埋めるのがバリューだ!と信じてやっている人もいると思います。

 でも、それがうまったように見えて、業務を作り直して、効率が上がったのでしょうか?私の少ない経験からは、そんなところは見たことがないですね・・・。

 業務改革は、絶えざる活動なんだ!ボトルネックの移動は永遠に続くんだ!とおっしゃいます?

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

フォロー フォローして伊藤 達夫の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。