敢えて言います。私は「CIO主導の業務改善」というのも、「現場主導の業務改善」というのも、どちらもイデオロギー的な気がして、嫌いです。イデオロギーはどうでもいいから、業務効率を最適化して、よりキャッシュが残るようにするだけだと思うのです。
それと、エンロンショックに伴う、SOX法、内部統制強化というのも、システムコンサルティング会社&CIOにとって、プレゼンスメイキングの機会になりましたね・・・。
「内部統制強化で売上が上がる!」という宣伝文句を見かけました。笑いを通り越して、呆れました。確かに、システムコンサルティング企業にとっては、売上増のチャンスではありますが・・・。
CIOにも、予算がつきやすいでしょう。効率を悪化させない内部統制を実現できた!というCIOの方がいたら、見てみたいですね。たいていはモチベーションの低下と、業務効率の悪化をもたらしていると思いますが。
批判的にCIO概念を見てきましたが、CIO概念、米国型コンサルティングファームによる業務改善へのカウンターとして、現場主導の業務改善があります。たいてい、トヨタ式改善などを旗印にしています。現場の人間の視点による改善こそ、業務効率を向上させるのだ!という主張です。
いわゆる、全体最適と、部分最適の議論にすり替わりやすい概念ですけどね。
各プロセスの大きさにもよりますが、どこまでが現場なんでしょうかね?どこからが、ヘッドクオーターなんでしょうか?
作業者の方のレイヤが現場でしょうか?それとも、各プロセスのマネジャーぐらいまででしょうか?
その上のディレクターも現場なのでしょうか?
各プロセスの効率はそのプロセスを管掌するマネジャーの能力に依存すると私は思います。プロセス間のマネジャーの能力差が大きければ、際立ったボトルネックの発生をもたらすと思います。
マネジャー間の能力差を生じさせない調整は、その上のディレクターがやればいいと思います。
プロセスがあまりに長い場合はどうするんだ?と言うかもしれません。
確かに、プロセスが長ければ、人間の認識範囲を越えますね。こういう時にトップダウン論に傾きますね。いわゆるCIO主導で!と言いますけど、業務範囲が人間の認識範囲を超える場合、トップダウンでやっても、ITをテコにしようとしても、結局、中間レイヤでの齟齬が生じます・・・。
その齟齬を埋めるのがバリューだ!と信じてやっている人もいると思います。
でも、それがうまったように見えて、業務を作り直して、効率が上がったのでしょうか?私の少ない経験からは、そんなところは見たことがないですね・・・。
業務改革は、絶えざる活動なんだ!ボトルネックの移動は永遠に続くんだ!とおっしゃいます?
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ビジネスシステム
2009.11.29
2008.07.18
2008.03.21
2008.02.18
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。