「Less is more」 は建築家、ミース・ファン・デル・ローエの言葉。無駄を削ぎ落としたものは美しい。さりとて、その削ぎ落とすという行為はなかなかに難しい。そんなことを考えさせてくれた、最近の商品を二つご紹介。
■贅肉を削ぎ落とせない男の味方「ワコール・クロスウォーカー」
http://www.mens-wacoal.jp/crosswalker/mechanism/
さて、「Less is more」と贅肉を削ぎ落とした機能美を好むものの、自らの贅肉はなかなか削ぎ落とせず、美にはほど遠い状況に一縷の望みを与えてくれる新製品が登場した。
「”スタイルサイエンス”はいて歩いているうちに体型を引き締めるという、ワコール人間科学研究所の研究開発によって生まれた全く新しい技術です」とある。
形状は少し太ももの部分が少し長めのスパッツのよう。そのの太もも部分に秘密がある。特殊な織りと縫製によって、ももが加圧され、自然と歩幅が広がり負荷のかかる歩き方になる。結果として、日常の歩行がエクササイズになるというものだ。週に5日着用、1日6,000歩目標。決して高いハードルではない。
この商品、女性用がずいぶん前から販売されており、かなりのヒットを記録している。ヒットしているということは、「効果あり」なのだ。
続いて、企業の健保組合ルートで昨年末から販売されていた。実は筆者はワコールの知人に頼み込んで、密かに試していたのだ。「効果あり」。
少々ウェイトオーバーだったので、食事にも気をつけるようになっているため、定量分析的に考えれば、食事の変更がクロスウォーカーの効果のバイアスとなっている。故に、正確性には欠けるかもしれないが、体組成計に乗って調べてみると、体重減少分以上に、筋肉量が増えている。恐らくこれは、クロスウォーカーの効果だと思って間違いないだろう。
何より、歩き方が変化したことが体感できる。大股でぐいぐい歩いている感じがする。もともとタウンウォッチを兼ねた散歩は大好きなのだが、更に、歩くのが気持ちよくなった。
「男子たるもの、女性の下着メーカーの製品に頼ってまで」という論もあるかもしれないが、メタボ検診はもうすぐ始まってしまう。背に腹は代えられない。というか、その腹を何とかせねばならないのだ。溺れる者は藁をもつかむというが、この商品は藁どころか、間違いなく強力な救命ボートとなってくれる。自分で漕がねばならないボートであるのは間違いないが。
「Less is more」な商品を二つ紹介したが、「持たざる豊かさ」を実践するには、やはり工夫が必要だということだろう。
最小限のスペックを活かす使い方。Eee PCは新しいPCの使い方を考えるきっかけを与えてくれた。
日常のウォーキングの質を変え、また、日頃より少し長く歩くという行為を日常に組み込むというきっかけを与えてくれたクロスウォーカー。
春は新しいことを始める季節でもある。もし、どちらかの商品が気になった方がいたら、是非、お試しあれ。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2008.03.22
2008.03.28
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。