商品開発のヒントは、 世の中の人々が明確に、あるいは漠然と感じている、 ・不満 ・不便 ・不安 の中にある。
このことは、元リクルートで、
創刊男と呼ばれた、くらたまなぶ氏はじめ、
多くの方が指摘していますね。
「タクシー」に関していえば、
いまだに様々な
不満、不便、不安
がありますよねぇ。
たとえば、
・運転手のサービス、マナーが良くない
という不満は大きい。
これを解消したのが
「MKタクシー」
でした。
さて最近、
「料金がいくらになるのかわからない」
という「不安」を解消した
タクシー配車サービスが登場しています。
(日経MJ、2008/03/10)
システム開発会社の「トラン」が運営する
「らくらくタクシー」
は、定額制のタクシー利用を実現。
利用者が予約時に出発地と目的地を指定すると、
距離、所要時間などから自動的に料金を算出します。
そして、実際に乗車した際、
例えば渋滞に巻き込まれて想定時間よりも乗車時間が
延びた場合でも、追加料金が発生することはありません。
なお、こうした定額料金によるタクシーサービスは、
「旅行商品」
とみなされるため、
トランは旅行業者と提携して同サービスを
提供しています。
利用者側としては、
深夜帰宅時の利用がメリット大きいようですね。
例えば、横浜アリーナでのコンサート終了後、
深夜3時に配車を予約して帰宅する消費者の場合、
普通にタクシーを拾ってメーターで加算する方式よりも
2-3割
料金が安くなることもあるそうです。
しかし一方で、タクシー会社側としては、
上記のように1乗車当たりの売上は減る場合が多いでしょう。
それでも、1乗車あたりの売上は減ったとしても、
トランのサービスを通じて予約が増えれば、
乗車率が高まると期待できます。
すなわち、客数を増やすことができて、
結果的に総売上は増えるという計算が成り立つことから、
当サービスに参加しているようです。
「らくらくタクシー」は、
タクシーに関連した不安に着目し、
それを軽減、除去できるようなサービスを
発想・実現した新事例ですね。
関連記事
2009.02.10
2015.01.26
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。