忘年会をどう活用するか

2019.12.22

組織・人材

忘年会をどう活用するか

猪口 真
株式会社パトス 代表取締役

12月下旬、忘年会はピークを迎え、あちらこちらで酔っ払いのおじさんたちを目にする機会が増えているが、忘年会はどの程度存続しているのだろうか。また、この忘年会、どう活用すればいいのだろうか。

仮に、あなたが年に一度忘年会を主催するとして、予算、スケジュールを無視すれば、どんな忘年会を開催したいだろうか、誰を呼び、どのようなメンバーで忘年会をしたいと思うだろうか。

そこで思い浮かべる人は、やはり一緒に仕事がしたい、これからも付き合いを続けたいと思う人だろう。あなたが、その逆の立場であれば、ビジネスにおいては安泰だろう。

この調査の中には、なぜ参加したくないかの理由もあったが、要は「上司が嫌いだから」というものが並んでいた。

行きたくないと考える理由にも、仕事の能力面があらわれていると感じる。「セクハラやパワハラまがいのことがある」といった理由であれば、別の問題だが、大半は自分自身の能力やとらえ方の問題ではなく、上司や会社という「自分のまわり」に起因するものだ。

忘年会は仕事の延長であるわけだから、好きとか嫌いとかではないだろう(業務時間外だから仕事ではないという意見は横においておく)。

行きたくないという気持ちの理由だから、こうした「人のせい」になるのも無理はないが、忘年会を楽しめない、活用できないのは、そればかりではない気がする。

うまく使えば、本音を聞き出すチャンスもあるかもしれないし、普段コミュニケーション取れない人と話す機会だってあるだろう。

どのような場であっても、常に機会をうかがっているような人であれば、積極的に活用していくはず。

上司だろうが役員だろうが、使えるものは使う、のだ。そういう意味でいえば、忘年会に限った話ではなく、仕事の場以外のコミュニケーションの機会をどのように考え、実践していくかということなのだろう。

以前、医学部の教授に、ビジネスで将来成功するかどうかは、酒の席の乗り切り方による、という話を聞いたことがある。

(今は少ないだろうが会社によっては)毎日のように設定される酒席で、まともに飲んでいたのでは身体が持つはずがなく、だいたい50歳代の仕事のピーク時に身体を壊し脱落するという。「飲んだふりをする」「薄くする」など、酒量をコントロールし、自分の身体を第一に考えて乗り切ることができた人だけがトップに向かって進んでいく、と。

とはいえ、一部の「自分自慢好きな」人たちだらけの忘年会には、できることなら参加したくないものだ。忘年会、新年会、納涼会に限らず、コミュニケーションや成長の機会があると考えることができれば参加すべきだし、まったく時間の無駄だと思えば、やめればいい。

参加が義務であるならば、何か目的をつくって参加してみるしかないだろう。

くれぐれも、自分の身体を第一に考えることを忘れずに。

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