テレビの企業密着モノはビジネス番組だけでなくドキュメンタリーの定番であり、人気です。テレビ東京「ガイアの夜明け」では定食チェーン大戸屋が取り上げられたのですが、この抜群のPRが逆効果になりかねない様相です。
3.ワタミの再来?
国会議員にまでなられたワタミ創業者・渡辺氏は、やりがい搾取のシンボルのように批判を受けてきました。社員が自殺するなど、過重労働に代表されるその店舗運営スタイルは、ついにはワタミという社名を冠した店舗も変えざるを得ないほど、一般客からも支持を失っていったのです。新たにミライザカや鳥メロといったワタミ色を隠した店舗に衣替えし、何とか危機を乗り越えようとしているワタミですが、経営者の責任とはいえ、企業や店舗の印象はここまで大きく経営にダメージを与えるのです。
特に人手不足が厳しい飲食業界では、こうしたパワハラ的な体質が伝統的に存在します。これは単純なパワハラだけでなく、実際の店舗運営のデリケートな部分を根性論で押し切ってしまう、押し切らざるを得ない実態があるからでしょう。しかしそれでは経営者の責任であり、そこまで社員を詰めなければ回らない、コストが回収できないなら事業そのものがダメなのだという批判に答えられません。
ドキュメンタリー番組制作者はテレビ的な演出もあり、厳しい場面とその後の成功・達成を合わせた構成にしたかったのかと想像します。番組はそれでOKだと思いますが、放映された大戸屋にとってのPR戦略がどのようなものなのかはわかりませんが、イメージアップどころかこの先の採用や経営、何より客足への影響が懸念されてなりません。
※TBSテレビ「土曜☆ブレイク 危険回避バラエティ その手があったか!」2019年12月14日 (土) 14時~。増沢隆太がひな壇芸人、いやひな壇専門家の一人として出演します。ぜひご覧下さい。
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2019.12.16
2020.09.07
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。