歴史や価値とともに変化する「お値段」㉑──電話料金の変遷

2019.11.27

経営・マネジメント

歴史や価値とともに変化する「お値段」㉑──電話料金の変遷

LEADERS online
南青山リーダーズ株式会社

ものやサービスの値段は時代によって変わるものです。「高い」「安い」の基準になっている貨幣の価値も時代によって大きく変わります。いつものように、さまざまな分野のものやサービスの「お値段」を比較してみましょう。 電気やガス、水道のような私たちが生活を維持していくうえで欠かせないインフラと同じく、人と人をつなぐ電話も社会の最も重要なインフラのひとつです。 インターネット通信がこれだけ普及しても、人と人がじかに会話することや、電話の重要性は変わりません。そこには人が発する「声」独特の信頼性と魅力が潜んでいるから……といえることもできるでしょう。今回は、電話料金の変遷をたどっていきます。

50代以上の方であればご記憶があると思いますが、古くは家庭に固定電話を新たに設置する際、数万円におよぶ初期費用が必要でした。時代は変わり、今ではスマホ1台で事足りる便利さゆえ、若者の一人暮らしでは固定電話を敷設しない人も増えています。そのため、休止回線は増加の一途をたどっており、電話加入権の市場価値は下落しています。

そして、経済大国への道を突き進む昭和43(1968)年には、加入者数は1100万件を超えます。この頃は、基本の月額料金が700円、市外通話は東京・大阪間で4秒7円とまだまだ高価で、固定電話を新規に設置するための債権を含めた架設料は、十数万円から20万円ほどしました。

こうした時代がしばらく続いたのち、昭和60(1985)年の電電公社の民営化によってNTTが発足。料金体系も大きく様変わりすることになります。

クラウドファンディング,ソーシャルレンディング,マネセツ

固定電話から高級肩掛け電話、そして小型の携帯電話へ

NTTが初めて民生用の携帯電話を発売したのは、1985年のこと。それは、「ショルダーホン」と呼ばれる約3キロにおよぶ重さの肩掛けタイプの携帯型電話機でした。バブルを象徴するアイテムとして、お笑い芸人がネタのアイテムとしても使用している「ショルダーホン」ですが、当時はお金持ちしか持てない高級品で、保証金は17万円、月額料金は2万3000円、通話料は1分100円もかかりました。

ただしこのあと、回線がデジタル化するとともにバッテリー性能の向上もあいまって、携帯電話は急速に小型化・普及し、料金体系も大きく変わっていきます。インターネットに接続できるようになったのは平成11(1999)年のことですが、通信と電話がスマートフォンで融合したのは、その数年後のこと。通信の自由化に伴って、さまざまな業者が通信事業に参入した結果、料金体系もバラバラだった点が大きな特徴でしたが、誰もがこぞって自分だけの「My Phone」をもつよう変化していきます。

日本のスマホ料金は、国際的に群を抜いた高水準

クラウドファンディング,ソーシャルレンディング,マネセツ

現在では、長時間ゲームを楽しむことのないユーザーであれば、月の携帯料金は、数千円から1万円という方も多いことでしょう。音声通話も一定時間まで無料である場合や、かけ放題プランなどを利用している人も多いようですが、現在の基本料金プランは、最低でも月額数千円単位に設定されていることが多いため、パケット通信の少ない利用者が、よく理解しないままムダな料金を支払うことになっている問題も指摘されています。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

LEADERS online

LEADERS online

南青山リーダーズ株式会社

専門家による経営者のための情報サイト

フォロー フォローしてLEADERS onlineの新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。