東京都が約5700億円かけて整備した中央卸売市場「豊洲市場(江東区)」が開場して、早くも1年余りが過ぎた。 昨年(2018年)10月の開場当初は、施設の使い勝手を懸念する声も多かったが、初めて迎えた今年の夏場は、移転前の築地にはなかった空調管理システムが威力を発揮。連日の猛暑を無事に乗り切り、今秋10月に開場1周年を記念するイベントが盛大に開催された。 ただ、光熱費や設備費などの運営コストがかさむ中、市場の水産物取扱量は都の想定を大きく下回る状況が続いており、今後の運営に向けてシビアな課題も浮上してきている。
今年10月5日、豊洲市場では開場1周年の記念イベントが開催され、約5000人の来場者でにぎわう中、小池百合子知事も会場を訪れて市場のPRに励んだ。
その席で、豊洲市場協会の伊藤裕康会長は「この1年は関係者の努力、お客さまの協力で順調に運営できたが、依然として取扱量は厳しい状況にある」と語った上で、「来年が非常に重要な年になる」と気を引き締める姿勢を見せた。
市場関係者の間では、今後、民間の経営手法がどこまで導入されるのか注目されているが、生鮮品を扱う市場の営業は、毎日が待ったなしの真剣勝負だ。日々の業務を着実に積み重ねながら、世界に誇る豊洲ブランドをいかに成長させ、新時代を担う食の中継基地として存在感を示していくか……。
苦境の中で迎えるこれからの1年、そして40年~50年後の次なる時代に向けて、豊洲市場の新たな挑戦とともに、その底力が試されようとしている。
※参考/朝日新聞、日本経済新聞
≪記事作成ライター:菱沼真理奈≫
20年以上にわたり、企業・商品広告のコピーや、女性誌・ビジネス誌・各種サイトなどの記事を執筆。長年の取材・ライティング経験から、金融・教育・社会経済・医療介護・グルメ・カルチャー・ファッション関連まで、幅広くオールマイティに対応。 好きな言葉は「ありがとう」。
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【転載元】
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