ビジネスのやり方やスタイルが問われるのは、どのようなときなのだろう。 仕事は常に順調ではない。ありとあらゆるアクシデントやトラブル、改良・改善案、変更といったことが起こる。ビジネスセンスが問われるのは、まさにこういうときだ。
仕事のやり方に共感する
どんな人とまた仕事をしたいと思うだろうか。
利益(売上)を上げることができたという結果から判断すれば、「儲けさせていただける人」「仕事が簡単に終えられる人(修正や変更が少ない)」「言うことを聞いてくれた人」「値切られなかった人」などの意見が出てくるのだろうが、私としては、なんといっても、仕事のやり方がスマートで、思いやりにあふれ、仕事を気持ちよく進めることができた人だろう。つまり、結果よりもむしろプロセスが「また仕事を一緒にしたい」と思わせる要素ではないか。
たとえ、結果が伴わない仕事であったとしても、「次に頑張りましょう」という気持ちになるし、次こそは結果を出してあげたいと思う。
しかしながら、プロセス重視のビジネススタイルは、どちらかといえば時代遅れかもしれない。
ビジネスにおいて評価されるのは結果だし、どれだけ頑張ったところで、結果の出ない営業や開発マン、マーケティング担当が声を大にしていろいろ言ったところで、その人の評価が上がることはないだろう。
しかし、いくら結果を出しても、プロセス(仕事のやり方、スタイル)が最悪な人と、また仕事をしようとは、私は思わない。
結果を出すことはもちろんすばらしいことだし、そのために日々頑張っているのは間違いないのだが、残念なことに我々には結果をコントロールすることはできない。できるのは、自分の思考と行動だけだ。
また、どんな仕事でもそうなのだが、仕事はやってみなければわからないものだ。
ビジネスセンスは、非常時にこそ問われる
ビジネスのやり方やスタイルが問われるのは、どのようなときなのだろう。
通常、仕事というのは、何か特別なプロジェクトや新規事業でもない限り、だいたいプロセスややり方は決まっているものだ。そこで問われることは、きちんと時間を守る、決まりを守る、正確に仕事を行うといったことで、とりわけセンスがどうのということはないのかもしれない。
しかし、仕事は常に順調ではない。ありとあらゆるアクシデントやトラブル、改良・改善案、変更といったことが起こる。その先の顧客の都合、商品開発の遅れ、上司の一声、さらに上層部の一声、経営判断、天候・天災、人的ミスなど、実に様々だ。
ビジネスセンスが問われるのは、まさにこういうときだ。
センスのある人は、ここで本当に発注側(責任を負う人)の立場に立ち、問題を解決するために尽力する。前述したように、解決できるかどうかはわからない。しかし、解決に向かって取れる最良の判断と行動をする。
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