景気のリトマス紙 金・原油・鉄鉱石相場

2019.10.24

経営・マネジメント

景気のリトマス紙 金・原油・鉄鉱石相場

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南青山リーダーズ株式会社

経済が下降局面の状態、地政学的にリスクが高まってきているときに大きく反応するのが金相場、原油相場です。 経済には知識豊富でも、政治にはちょっと疎いという方もおられるのではないのでしょうか。景気動向に左右される鉄鉱石についても検証してみましょう。 定期的に貴金属相場、商品相場を当レポートでは取り上げております。

【原油相場】

中東情勢も穏やかではない

原油相場も激しく動いています。下記グラフ(出所:ウォール・ストリート・ジャーナル紙)は、原油市場の指標であるWTI(ウエストテキサス・インターミディエート)の今年の価格推移を示しています。
原油相場はまず、中東情勢の動きに大きく左右されます。そして米国経済の景況感から、消費者がガソリン需要に見合う旺盛な消費意欲を示すか否か、というのが変動要因です。
米国で毎週発表される週間原油在庫統計では、5月頃65ドル近辺まで一時期急上昇する動きを示しました。これはイランと米国の対立が主因と言えます。
そして9月から10月の変動要因としては、サウジアラビアの石油精製所が、イランが支援していると推測される過激派組織の襲撃により、炎上しました。このために再び65ドルに迫るチャートを形成しています。(赤丸部分)
原油精製が長期に渡り停止すると推測されましたが、1か月位で以前の精製能力に戻るとのサウジアラビア政府からの発表に、原油価格が低下することになりました。

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今後の原油の動き

今後の原油の動きとして注意するべきことは、
①米中通商交渉が今後どのように進むか、その結果、米景気がどのように進んでいくのか。
②中東情勢には引き続き注意を。
と言ったところではないかと思います。
注目すべきはチャート上の赤線サポートを下回っていくかどうかで、世界の景気が良好に推移すれば原油需要が広がり、価格上昇の動きもみられるのではと思います。
米国のシェールオイル・ガスの生産者は50~60ドルが採算ラインを言われており、大きくは下がらない原油相場展開を期待しています。(トランプ支持者が多い地域だけに、政治的な匂いもしますが。)

【鉄鉱石相場】

製造業の米の一つと言えるのが鉄鉱石です。そしてその価格は経済の動向に敏感に反映されます。
下記グラフ(出所:ウォール・ストリート・ジャーナル紙)は今年一年の価格の推移を示しています。
6月~7月の頃には800ドルを超える水準でしたが、現在は600ドルに向かう右肩下がりの価格動向となっています。
今年前半は中国の景気の落ち込みがそれほどでもないという期待感、米国も堅調に推移する景況感であることから、鉄鉱石価格が上昇する動きであったようです。
しかしその後、中国経済の悲観論が台頭することとなりました。今後の動きは、やはり米中通商交渉の行方の、中国経済の動向に大きく左右されることになると思います。楽観論は禁物のようです。

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