キャッシュレス決済と日本の現状(4)~“現金おことわり店”は今後増えるのか~

2019.04.01

経営・マネジメント

キャッシュレス決済と日本の現状(4)~“現金おことわり店”は今後増えるのか~

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南青山リーダーズ株式会社

世界のなかでもキャッシュレス決済後進国であると言われる日本が、10月からの消費税増税や2020年東京オリンピック・パラリンピックを前に、「キャッシュレス元年」と言われるほど、さまざまなサービスが登場しています。実際に電子マネーなどの台頭により、1円玉の流通量も減っているとか。 これまで3回にわたり、キャッシュレス決済と日本の現状についてお伝えしてきましたが、今回は、都内を中心に増えつつある“現金おことわり店”について紹介します。 北欧などでは、現金おことわりが当たり前になりつつあるようで、その現状もあわせてご紹介します。

このようなキャッシュレス社会を生んだ背景には、北欧の主要銀行数社が共同で開発したスマホ用の決済アプリ「Swish(スウィッシュ)」の存在があります。

「Swish」とは、個人間、個人と小売店での支払いをアプリで行えるサービスで、電話番号と銀行口座が紐づけられており、誰もが簡単に利用できるもの。Swishは主要銀行が一緒になって開発したことから、利用者は拡大。2017年10月末の利用者は597万人で、総人口約1000万人の約60%が利用していると言われています。30歳未満の成人に至っては、利用率が約90%。このように多くの人が利用することで取引コストを下げられるという好循環が生まれ、「現金いらず」のキャッシュレス社会となっていったのです。

キャッシュレス化は店舗や交通機関だけでなく、たとえば有料トイレもカード払いだったり、旅行者はちょっとした戸惑いを覚えるほどに「NO CASH」は進んでいるのです。
さらには、長さ1cmほどのマイクロチップを手に埋め込み、そのマイクロチップにより鉄道の乗車料金を精算したりする、まさに近未来映画のようなことも実際に行われており、一歩も二歩も先を行く世界が構築されているのです。

── 日本では10月からスタートする消費税増税に際して、政府は原則中小店でキャッシュレス決済した場合に1~5%のポイント還元することを発表しています。
キャッシュレス化が進むことは間違いないですが、“現金おことわり店”が街中にあふれるのは、もっと先の話になるのではないでしょうか。現金に対する安心感が高い日本で、テクノロジーやセキュリティーに対する信頼度がそれを凌駕するのは、かなり時間のかかることであること間違いないでしょう。とはいえ、こうした店が増えていく世界の変化に対して、私たちは注視していく必要がありそうです。

≪記事作成ライター:ナカムラミユキ≫
千葉出身。金沢在住。広告制作会社にて、新聞広告を手がける。映画、舞台からメーカー、金融まで幅広い記事広告を担当。著名人インタビューや住宅関連、街歩きコラム、生活情報まで興味の赴くまま執筆しています。

【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/

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