風光明媚な土地柄の日本と類似している島国・ニュージーランドを久しぶりに考察してみましょう。 最近ではクライストチャーチのモスクで銃乱射事件があり、注目されました。 しかし、先進国の中では安全と言われてきたニュージーランド。その経済を中心に最近の動きを観察しましょう。
今後の予測としては、2020年以降政策金利の上昇が見込まれています。
しかしこれはあくまでも2020年以降のものであり、今年は1.75%で安定の予測が出ています。
RBNZの直近の金融政策委員会では、2019年、2020年は現在の政策金利水準を維持し、次回の利上げ見通しは2021年初めまで先送りの見通しと明示されました。その中で、RBNZは次のような4つの項目を指摘しています。
①低い金利水準が経済成長とインフレを抑えるのに必要である。
②力強い世界経済の追い風は弱まる傾向にある。
③現在の経済成長は雇用をサポートする。(直近では第4四半期失業率4.3%)
④インフレ動向はRBNZインフレ目標の中間点に位置する。
このことから、米中貿易摩擦懸念が拡大してこない限り、RBNZは健全な金融政策運営が期待できると言えるでしょう。
投資利回りと為替リスク
ニュージーランド債券10年利回りは現在2.00%前後と、半年前の約2.60%からは大きく利回り低下の動きになってきています。
世界的に安定利回りを求める投資家の動きが背景となり、今年グローバルな債券利回りは低下の動きになってきているのです。これは致し方ないのではと思います。
先進国の中でみると、ニュージーランドは米国に次ぐ高い利回りとなっています。
下記チャートは、ニュージーランドドル対円の過去1年の為替の動きです。
ここからは中国経済の影響は豪ドルよりも少ないと推察されます。
それはニュージーランドの多様性が大きいのではないかと筆者は考えました。
また、昨年は72円が大きなサポート(チャート内緑線参照)として機能しました。
年初の大きな下振れは流動性が少なかったことによる過剰変動と言え、長期的投資には省いても良いのではと考えます。
現在では、米中貿易摩擦懸念にも関わらず上昇しているのもみてとれるでしょう。
まとめ
安定した、そして様々な多様性、魅力がある先進国であり、地政学的リスクも少ないニュージーランドは、投資家にとって安定した収益を確保するに適した国であると言えるのではないでしょうか。
投資利回りの安定性、為替リスクの両方を考慮に入れても、ニュージーランド投資は安定的な収益を確保できるのではと筆者は思います。
«記事作成ライター:水谷文雄»
国際金融市場に精通するInvestment Banker。
スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替および金利・債券市場部門で活躍、
外銀を知り尽くす国際金融のプロフェショナル。新興の外国銀行(中国信託商業銀行 )の
東京支店開設準備に参画しディーリング・ルームの開設を手掛ける。
プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、
スペインと日本との文化・経済交流を夢見るロマンティスト。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp
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