ロジカルにかっこよく「御社の課題はここにありますね!」と課題を作る人と、すべて顧客のニーズに応えようと必死に努力する人がいる。ビジネスセンスを磨くには、どちらなのだろうか。
まさに、「できるコンサルタント」と呼ぶにふさわしい仕事っぷりに見える。
ところが、そのさっそうとした仕事っぷりが必ずしも、成功しているかといえば、そうではないことも多い。むしろ、顧客の言うことをうのみにし、手当たり次第に提案するほうがいい側面もある。要するに、どちらが相手と信頼関係を築けるかということだろう。
ただし、常に「顧客の言うこと」をうのみにするのもいただけない。完全に「言われたことしかできない」というレッテルを貼られてしまうし、そうではないにもかかわらず、「便利で器用なパートナー」の域を出ることはない。
必要なのは3つの軸
課題をロジカルに見つけることは大事だし、ビジネススキルにおいては欠かせないスキルであることは間違いないだろう。
しかし、そもそも、正しい課題・問題を見つけるということを、外部の人間が簡単にできることなのだろうか。特に仕事の発注先にとって、クライアントの仕事のことは、クライアント以上に知ることはほぼ不可能だし、クライアントすら問題・課題を明確にできていないところに、見出すことなどできるのだろうか。ましてやそこにどのような問題がひそみ隠れているのかなど、本当にわかるのか、疑問は残る。
そこで、ロジカルな定量的なデータに対して定性的で主観的な理論の登場となる。「セオリーではこうだし、御社の事情を考えればこの方法だと思いますが、役員の方針や昨今の営業の状況を考えれば、この点をまず解決するこの方法も考えられますよね」といった、オリジナルのあなた独自の理論だ。この独自理論が、セオリーや顧客ニーズをカバーできていれば、これはかなりかっこいい。ロジカルなイメージを持ちつつ、顧客ニーズに応え、しかも、関係を良好に保つ独自の意見を持っているということだ。
ビジネスセンスというのは、この3つの事柄が合わさったところにあると思う。ロジカルか言いなりかの両極ではなく、3つの軸を持ったうえでのコミュニケーション、プレゼンテーション、戦略策定を行うことが重要だと思う。
しかもこれは、対クライアントに限ったことではなく、社内やパートナーとの仕事においても、まったく同じだ。
このようなスタイルを常に意識し、ロジカルなセオリー、顧客のニーズ、そして、独自の理論、この3つを頭の中に描きながら仕事に取り組むことができれば、あなたのビジネスセンスは、まずます磨かれていくのではないかと思う。
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