ECB(欧州中央銀行)が金融政策の変更を発表しました。3月7日開催の定例理事会で、フォワードガイダンスの変更、新たな資金供給策の発表、そして経済成長率、インフレ見通しの下方修正等の発表をしました。それぞれの項目を詳しく説明しましょう。
ユーロ為替相場予想
ECBの金融政策の変更で為替はどのようにうごくのでしょうか?下記は過去1年間のユーロ/ドルの動きを示しています。直近の動きにトレンドラインを引いてみました。
ECBの政策金利維持の方針が長く続くことから、ユーロ金利は当面上昇することはなく、為替相場を形成する重要要因であるドルとの金利差はむしろ拡大するのではと観測されています。つまりドル買い・ユーロ売りの相場が続くと思われます。
対円クロス相場でも同様の考えが支配し、ユーロ下落相場は当分の期間続くのではと筆者は予想します。
まとめ
投資家の皆さんは今年のユーロ金融商品には相対的には警戒した方が良いのではと思います。ユーロ圏債券市場は例外ではと思います。ECBの金融政策により、ユーロ圏債券市場では買い意欲(安全志向)が強く、金利下落の動きになっています。
低金利政策が続く限り、債券市場活況の動きとなります。イタリア、ギリシャなど財政問題に焦点が当てられる国の債券は例外と言えます。株式市場でも大きく上昇することは当面期待できないため、為替が対円に対して下落するのではとの懸念があります。円での受け取りにはマイナスと言えます。ユーロ金融商品の取引には慎重に行きたいことを認識しましょう。
«記事作成ライター:水谷文雄»
国際金融市場に精通するInvestment Banker。
スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替および金利・債券市場部門で活躍、
外銀を知り尽くす国際金融のプロフェショナル。新興の外国銀行(中国信託商業銀行 )の
東京支店開設準備に参画しディーリング・ルームの開設を手掛ける。
プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、
スペインと日本との文化・経済交流を夢見るロマンティスト。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
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