注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)が今週開催されました。 昨年末の米株式市場の下落、米中貿易摩擦から、グローバル経済の落ち込み、とりわけ中国経済が後退局面にあるのではとの懸念、そして米国経済も後退局面に陥るのではと、いろいろと観測されている中での開催です。 今回は、FOMCの内容が前回からどのように変化したのか、そしてパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言内容を検証します。 また注目されていたバランスシートを正常化に向けた動きとの関係も見てみましょう。それにあわせて、金利はどのように動いているのかを読みたいと思います。
株式市場と不動産市場
株式市場、そして不動産市場へのFRBの政策転換の影響はどのようになるか考察しましょう。
株式市場の動きとしては、ドル金利低下は米株式市場では好感をもって受け止められているようです。
金利低下によって企業の資金調達は金利負担が軽減され、ポジティブに働くと思います。
さらにこの先は、やはり米中貿易摩擦の進展状況に関心が集まるのではないかと推察されます。
トランプ大統領が設定した米中貿易交渉で進展がないと、3月には新たな関税が中国製品に課されることになります。
金利低下が株式市場を支えるのではと思われますが、それ以上に外部要因による株式市場の下落リスクがあると言えるのです。
不動産市場ではどうでしょうか?
FRBに金利打ち止め感が出てくると、当然不動産ローン金利も低下の動きとなるのではと筆者は考えています。
現在米住宅ローン金利30年物は5.0%台に位置し、長期債指標金利10年米国債は3%を上回る金利水準は現在想定できない動きとなっています。
このことを考えても30年住宅金利もこの先下がる動きになるのではと思います。
昨年は金利高が米住宅購入意欲を削いでいた状況にありました。住宅関連指標も最近は芳しい数字ではありません。
そんな住宅市場環境にはFRBの金利打ち止め感がカンフル剤となるのではないかと思います。
引き続き好調で推移する米不動産市場を期待したいですね。
«記事作成ライター:水谷文雄»
国際金融市場に精通するInvestment Banker。
スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替および金利・債券市場部門で活躍、
外銀を知り尽くす国際金融のプロフェショナル。新興の外国銀行(中国信託商業銀行 )の
東京支店開設準備に参画しディーリング・ルームの開設を手掛ける。
プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、
スペインと日本との文化・経済交流を夢見るロマンティスト。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
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