案やアイデアはいくらでも出るのに、最終的に決まらない。優秀なメンバーが集まる部門やチームでよく起こることだが、何が問題なのだろう。
しかし、このような課題が遡上に乗ってこないため、それぞれが共有できないし、何を解決するためなのかがあいまいなままだ。とるべきソリューションは明確で、大半の人が賛成しているにしても、その背景にある問題は人によって別のことだったりする。だから全員にそれぞれの優先順位があったりする。
問題はこれかもしれない、という仮説を持つ
問題を定義することは簡単ではない。それは、問題に見えてしまうことが多すぎるからだ。
自分の営業成績が悪いのは、クライアントに恵まれていないことだと決めつけるのは簡単だろう。しかし本当にそうか、どんなクライアントなら問題ないのか、現在の仕事がうまくいかないのはすべてクライアントの問題か、まず、様々な仮説を出すべきだ。
ただし、問題が定義は難しいからといって、むしろ問題はこれひとつだと正解を導き出せることはほとんどない。問題とは相対的だし、ほとんどの場合複雑に絡み合っているものだ。むしろ、真の問題などということ自体、幻想であることのほうが多い。
だからこそ、問題を洗いざらい出すことから始めるべきであって、自分の定義する問題はこれだと、メンバーと共有することが重要なのだ(第三者もいればなお良い)。そうすると、その問題への見方が違うことに気づく。
そこに気がつけば、自分たちが解決すべき問題が見えてくる可能性が高まる。見えてくれば、重要度と緊急度を合わせて考えることができる。つまり、優先順位が明確になるのだ。
やるべき戦略が決まらないのは、問題の定義が共有できておらずあいまいなため、優先順位をつけることができないからなのだ。すべてが大事に見えるし、ある観点から見ればA案だし、ある観点から見ればC案が正解なのだ。
戦略の採択のポイントは問題の見方にある。
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