2019年10月から消費税が10%になることに伴い、軽減税率制度が導入されます。軽減税率とは、増税後も飲食料品などの税率を8%に据え置くことで税負担を軽くしようという制度のこと。 しかし、その商品が軽減税率に該当するか否かについては細かい規定があり、分かりにくさが指摘されるなどの課題を抱えています。国税庁は個別の事例を紹介した「Q&A」を公開し、その対策を行っていますが、いざ蓋を開けてみればさまざま問題が出てくることは避けられないでしょう。 軽減税率とは、どのような制度なのか? なぜ、分かりにくいのか? そして、軽減税率により減少する税収入分をどう確保していくのか。こうした点を踏まえ、軽減税率についてご紹介しましょう。
2018年11月末現在、2019年10月〜2020年6月までの期間限定で、キャッシュレス決済をするとポイント5%を還元する方針を表明していますが、こうした案はかけこみ需要後の急激な消費の冷え込みを避けるための手段と考えられています。
そもそも消費税の目的とは? 1兆円の不足分はどうする?
そもそも消費税を10%にする目的は、年金・医療・子育て・介護などの社会保障ための財源確保でした。軽減税率を導入すると、予定していた増収分(約5.6兆円)から、約1.1兆円分足りなくなくなっていまいます。
1兆円分の財源は、低所得者の医療や介護の負担を軽くする「総合合算制度」の見送ることで4000億円を確保し、3000億円は給与所得控除の改正(※1)とたばこ増税(※2)で補うことになりました。2000億円は免税事業者への課税による増収分が充てられます。1000億円は、社会保障給付の見直しや効率化で捻出するとしています。
※2020年1月から、給与所得控除が年収に関わらず一律に10万円引き下げられます。が、同時に基礎控除が一律10万円に引き上げられます。よってここでの税負担は変わりません。しかし給与所得控除の上限が220万円から195万円に縮小するため、年収850万円超の人は実質的に所得税増税となる見込みとなります。年収が上がれば上がるほど、増税額は大きくなります。
※紙巻きたばこは2019年10月から段階的に1本計3円増税し、加熱式も初めて増税されます。
── 軽減税率は低所得者層の救済を目的としていますが、実際にはより多く消費する高所得者層がその恩恵を受けることになる不公平さも指摘されています。また、プレミアム商品券の発行や前出したキャッシュレス決済によるポイント還元については、何のための増税か……とその意味を疑問視する声も多く、今後も注視していく必要がありそうです。
≪記事作成ライター:ナカムラミユキ≫
千葉出身。金沢在住。広告制作会社にて、新聞広告を手がける。映画、舞台からメーカー、金融まで幅広い記事広告を担当。著名人インタビューや住宅関連、街歩きコラム、生活情報まで興味の赴くまま執筆しています。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
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