/幕末の「ええじゃないか」は、豊作の分け前から取り残された使用人や若い衆の災厄払いの「勝手正月」として、東海道から全国に広がり、ついには幕府を転覆してしまった。現代のハロウィンも、若者たちの馬鹿騒ぎと甘く見ていると、少子化とあいまって、痛い目に遭うのは既得権側。/
ええじゃないかが始まった7月14日は、まさにフランスの革命記念日。しかし、この国は、フランスや全学連のような暴徒の武装闘争ではなく、ええじゃないか、ええじゃないか、で、若いやつらが仮装して踊り歩き、誰が誰だかわからないまま、ニヤニヤと愛想笑いを浮かべつつ、無理デタラメをあちこちでゴリ押しし、酒食の飲み喰い、金品の巻き上げ、ゴミのまき散らしを続けているうちに、結局、国も社会もひっくり反ってしまった。現代もまたそのうち、少子化に乗じた仕事やバイトのスッポカシ、ゴマカシ、手抜き、屁理屈で、既存制度は内実から失われていくのではないか。連中をうまく操って、ガス抜きして、抑え込んでいる気になっていると、最後に痛い目に遭うのは誰か、もうすこしまじめに考えてみた方がいいのではないか。
(by Univ.-Prof.Dr. Teruaki Georges Sumioka. 大阪芸術大学芸術学部哲学教授、東京大学卒、文学修士(東京大学)、美術博士(東京藝術大学)、元テレビ朝日報道局『朝まで生テレビ!』ブレイン。専門は哲学、メディア文化論。最近の活動に 純丘先生の1分哲学vol.1 などがある。)
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2015.07.17
2009.10.31
大阪芸術大学 哲学教授
美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。