「のれんは血よりも濃い」 船橋屋 代表取締役 八代目当主 渡辺雅司 〜老舗ファミリー企業が守る伝統と攻める経営〜

2018.10.24

経営・マネジメント

「のれんは血よりも濃い」 船橋屋 代表取締役 八代目当主 渡辺雅司 〜老舗ファミリー企業が守る伝統と攻める経営〜

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江戸固有の和菓子「くず餅」の製造販売を手がける「船橋屋」は、江戸時代から続く創業211年の老舗企業だ。8代目当主、渡辺雅司氏にくず餅の持つ知られざる魅力と、医療や健康分野への展開計画などについて聞いた。

☆ カンブリア宮殿に船橋屋 渡辺社長が出演いたします!
11月1日(木)( 夜10時00分 ~10時54分 テレビ東京系 ) ☆

くず餅は和菓子唯一の発酵食品

カンブリア宮殿出演で船橋屋の渡辺社長が紹介する「くず餅乳酸菌」とは――。
江戸製法のくず餅に、パラカゼイ種乳酸菌が含まれていることがわかりました。

船橋屋では「くず餅乳酸菌」入りのかき氷をはじめ、コスメなど多彩な商品を企画中。
医療分野でも注目されています。

ーー伝統のくず餅、船橋屋の新たな時代の幕開けとなるでしょう。

船橋屋の東京くず餅は、和菓子で唯一の発酵食品。
◎ 乳酸菌たっぷり!450日間乳酸発酵、お腹にやさしい和菓子です。
◎ 低カロリー&無添加!一人前(9切)でたったの194Kcal。


船橋屋8代目当主 渡辺社長に、リーダーズオンライン経営者インタビューにお応えいただきました!


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「人がおいしいものを口にしたとき、自然とこぼれる笑顔は幸せの証ーー。
その一つひとつがつながることで、心豊かな社会が実現する」

こんな思いのもと、江戸固有の和菓子「くず餅」の製造販売を手がける「船橋屋」は、江戸時代から続く創業211年の老舗企業だ。

歴史と伝統だけに頼るのではなく、平成の世に合う経営革新で会社を発展させる8代目当主、渡辺雅司氏にくず餅の持つ知られざる魅力と、医療や健康分野への展開計画などについて聞いた。
(聞き手:早川周作・経営コンサルタント)

450日かけて熟成させたくず餅はたった2日の命

早川)「くず餅ひと筋まっすぐに」を企業理念とし、200年以上の歴史を持つ船橋屋。
くず餅や社名のルーツを教えてください。

渡辺 くず餅は東京の東側から下総・千葉にかけて、江戸時代に農家でおやつとして食べられていたものです。
小麦粉を水で溶いて、黒砂糖をかけて食べていました。
もともと先代は船橋大神宮の横で豆腐屋をやっていたんですが、にぎわいのあるところでくず餅を商品化して売ってみたいと、亀戸天神の参道で売り始めたのが始まりです。
亀戸なのに「なぜ船橋」と思われるかもしれませんが、屋号は出身地から取っているのです。

早川)くず餅を作る上でのこだわりや、独特の食感を生み出す秘密などはあるのですか?

渡辺 あまり知られていませんが、くず餅は和菓子唯一の発酵食品なんです。
小麦粉を洗ってグルテンを除去し、残ったデンプンを発酵させて作っています。
この弾力は蒸しただけでは絶対にダメで、発酵過程を経ないと出ないんですね。

その期間は300日でも500日でもダメで、450日がベスト。
今、食べているくず餅はなんと450日前に仕込んだものなんです。
ワインのように、仕込んだ年の気候によって、味が変わることもあります。
夏が猛暑だと発酵が進み、より一層、弾力が出て、とてもおいしくなります。

次のページ伝統を守るためにこそ必要だった改革

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