日本企業のM&Aが過去最多を記録 ── ベンチャーや事業継承の国内案件が大幅増

2018.08.28

経営・マネジメント

日本企業のM&Aが過去最多を記録 ── ベンチャーや事業継承の国内案件が大幅増

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2017年度に日本企業が関わったM&A(企業の合併・買収)件数は、前年比15%増の3050件(M&A調査会社レコフ集計)。12年ぶりに過去最多の件数を更新し、この10年で最も高い伸び率となりました。 日本企業のM&Aは6年連続で増加しており、とくにベンチャー企業への投資や事業継承を目的とした国内企業同士のM&Aが活発化しています。そこで今回は、2017年度のデータを振り返りながら、ここ最近のM&Aマーケットや今後の動向を見ていきたいと思います。

こうした事態を受け、同省では各都道府県の事業引継ぎ支援センターの運営・サポート体制をさらに強化。現在、M&Aにかかる税負担を軽減する法案も国会で審議されており、国を挙げて事業承継を後押ししていく方針を打ち出しています。

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勢いに乗ってさらに活発化する、2018年上半期のM&A市場

過去最多の件数を記録した2017年度に続き、2018年度のM&A市場も活発な動きを見せています。2018年上半期(1~6月)の日本企業のM&A件数は1956件、総額は昨年度の総額(13兆3437億円)をすでに超えて25兆4000億円に達し、いずれも上半期として最も高い水準となりました(トムソン・ロイター公表)。

また、2017年度は国内外の大型案件に一服感がありましたが、2018年上半期は1000億円以上の案件が24件と、前年同期の7件を大きく突破。ここ近年伸びているベンチャー関連や事業継承M&Aの件数も、前年同期から2倍近く増加し、引き続き高水準で推移しています。このペースで着地すれば、2018年度の日本企業のM&Aは昨年度からさらに躍進して、件数・総額ともに過去最高を再更新すると見られています。

小規模案件の増加とともに、M&Aはより身近な存在に

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かつて日本では「M&A=会社の乗っ取り屋」といったネガティブなイメージがありましたが、国内の経済成長力が減速する近年、M&Aは企業経営の重要なコーポレートアクションのひとつとして積極的に活用されるようになりました。また、IT・IOT・AIをはじめとする技術革新や高齢化社会による後継者難など、時代の流れに即してM&A のニーズもすそ野も広がってきています。

そうした中、大企業による何兆円規模のM&Aだけでなく、ベンチャーやスタートアップ、中小企業の小規模案件もますます増えていくことは間違いないでしょう。もしかすると今後、近所の町工場や地元の老舗店、知人が立ち上げたIT事務所など、自分の身のまわりでもM&Aの話が持ち上がるかもしれません。そう考えると、これまであまりなじみのなかったM&Aも、より身近で興味深いものになりつつあるような気がします。

ということで、年々活発化する日本企業のM&Aは、勢いに乗ってどこまで加速するのか ── これまでにない大展開が予測される今年下半期の動向を、ワクワクしながら追っていきたいと思います。

※参考サイト/朝日新聞、日本経済新聞、経済産業省、レコフ、トムソン・ロイター

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