100人の代理交渉した団野村氏しか語れない日米プロ野球の違い

2018.07.05

経営・マネジメント

100人の代理交渉した団野村氏しか語れない日米プロ野球の違い

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文化放送The News Masters TOKYO「マスターズインタビュー」。 今回のインタビューのお相手は、KDNスポーツジャパン代表取締役でスポーツエージェントの団野村さん。 団野村さんは、1957年生まれの61歳。 プロ野球選手として活動後、エージェントとして活動するようになって25年。 これまで野茂英雄、伊良部秀輝、岩隈久志、ダルビッシュ有など、数多くのメジャーリーガー誕生の裏方を務めてきた。 ※「エージェント」とは…プロスポーツ選手に代わってチームと入団や移籍、契約金や契約更改といった交渉事を行うのが交渉代理人(エージェント)。

野茂英雄の代理人になった時

団さんが初めて日本球界からメジャーリーグへ移籍させた選手・野茂英雄。

選手の意思によってチームと新しい契約をしない、または契約解除するための制度「任意引退」を利用して交渉を行った。

タケ小山は、一番気になっていた野茂さんのメジャー移籍について、「どちらが先なのか?野茂さんが団さんにアメリカに行きたいと言ったのか?それとも団さんから?」と話を切り出した。

団さんは、知り合いを通じてアプローチしてきた野茂さんとお会いして、あれこれ作戦を練ったという生々しい話を披露してくれた。

団さんは、アメリカの状況、情勢を説明し、ルールを2ヶ月位かけて色々と調べることに。

日米間のルールだけではなく、大リーグの歴史は結構古く、労使制度など、選手が辞めてほかのリーグに行ったり、ほかの国でプレーしたりという過去の裁判的な歴史もあり、また、独占禁止法から除外されているなど、そういうことを勉強しながら、どうやったら野茂投手が日本からアメリカへ行けるかを模索した。

やがて、こうやったら行けるかな、という1つのシステムを見つけた。

日米間だけの協約を見ると、「任意引退選手」はアメリカサイドの契約には含まれている。

日本の球団はアメリカで「任意引退」になった選手とは契約できない。

ところが、日本サイドの契約には「任意引退選手」という言葉が含まれていなかった。

そこが1つの抜け道だと団さんは考えた。

調べてみると、かつて西武にいたデストラーデは「任意引退」をしていた。その後、メジャーに戻ってプレーをしていた。
そういう例があったので、これはイケると思ったそう。

メジャーリーグに行くために「任意引退」が抜け道になったわけだが、では、「任意引退」させるにはどうしたらいいか?そこが一番難しかったという。

団さんは、近鉄との交渉の中で、当時は全く日本にはなかった「複数年契約」を要求した。

1994年、野茂さんは怪我をしていてあまり投げられなかった。

それを理由に、フリーエージェントになるまであと6年間、球団側に保有権があるので、フリーになるまで保証してくれと。

近鉄球団に対して「保有権であなたたちは一方的に鎖で繋いでいるのだから、その分保証してください」という論理で話を持っていった。

金額も膨大な金額で、「そんなことできない。これにサインしないなら任意引退しろ」という風向きになってきた。

もちろん近鉄サイドは、任意引退になったらアメリカに行くという話は知らない!

こうして、団さんの考えた「作戦」は功を奏したのだ。」

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