全員経営全員購買という記事を前回投稿しましたが、やはり購買でないとできないことがありそうです。特に複眼的な視点で物を捉えることの重要性は言うまでもないでしょう。
このように考えると「購買でないとできないこと」は必ず残るのかもしれません。それは何でしょうか。大きく分けると2つでしょう。
一つ目は「全体最適の推進」です。先の事例であれば購買部門が全体にかかるコストをまとめて種類増によって総コストが増えるからやめるべきだと、新車開発責任者にアドバイスすべきです。またこの他にも全社でのまとめ買いのアレンジなども上げられます。
汎用品(家電品等)や汎用サービス(航空券)などを購入する際に、「自分で買った方が会社手配よりも安い」というご意見をいただくことがありますが、これも全体で見て最適になっていることを求めるからです。
もう1つは「サプライヤとの関係性づくり」が上げられます。
これは企業の中でできる、もしくはやらなければならないのは唯一購買部門です。短期的な関係性だけでなく、中長期の関係性をどのように作っていくのか。サプライヤを評価し、時には評価され、共に協働で競争力を切磋琢磨していく。このような視点は他部門の人間に持て、と言っても全く無理なことです。
このように「購買でないとできないこと」は必ず残ります。
しかし「購買でないとできないこと」は分り難いです。特に開発部門や要求元などのユーザーには分り難いことでしょう。「サプライヤといい関係ができたから、何のメリットがあるのか。」となってしまいがちです。
これからの購買はこの「購買でないとできないこと」が何かを社内に説明し、説得する必要があるでしょう。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。