2016.01.18
メルセデスベンツに見る「攻め」のブランド戦略
動画広告・動画マーケティング専門メディア VIDEO SQUARE編集部
Crevo株式会社
ここ10年で時代が変わり、メディアが変わり、ライフスタイルが変わってきました。それに伴い、当然ブランド戦略も変えていかなければならないのは明白です。
『メルセデスベンツC-Class』
メルセデスベンツのラグジュアリー感、C-Classの優れたスタイリング、車としての躍動感。これらを30秒にしっかりとまとめあげた、質の高いクリエイティブです。
このTVCMを見せた上で「カッコいいか、カッコ悪いか」と問えば、ほとんどの人は「カッコいい」と答えるでしょう。
ただ、このクリエイティブが、車に興味の無い人の心に残るかというと、疑問です。
TVCMではリーチを活かすために、ある程度、汎用性を持たせるのは仕方のないことです。
しかし、動画広告は今やTVだけの物ではありません。YouTubeやFacebookなどのソーシャルメディアでの動画展開も、かなり重要な施策となります。
ソーシャルメディアでは、TVCMと比べてより細かくターゲティングが可能で、ターゲットにとって「自分事」となるようなコンテンツが求められています。
誰にでもある程度受け入れられるだけの動画は、心に残るどころか、見られることもなく消えて行ってしまいます。
皆にいい顔をする「八方美人」な動画ではなく、ターゲットを絞って心に刺さる動画を展開していかなければならないのです。
意中の相手をピンポイントに攻める勇気
ターゲットを絞るということは、それ以外の人には、ネガティブな感想を持たれやすくなるということです。
例えば、メルセデスベンツ最新の動画広告は、人気音楽ユニットのPerfumeとコラボレーションしたアニメーション動画です。かなりターゲットを絞ってきています。
これまであまりアプローチできていなかった若い音楽好きや、アニメファンなど、ベンツが新しくターゲットとした層の印象には残りやすそうです。
まだ、公開されたばかりで数字には出ていませんが、ソーシャルメディアでの拡散力もあると思います。
しかし、昔ながらのベンツファンは、この動画をどう思うでしょうか?
おそらく、「ベンツらしくない」「高級感はどこへ行った」と思う人の方が多いでしょう。
しかし、メルセデスベンツは知っています。
勇気をもって、自分たちがこれと決めたターゲットをピンポイントに攻めなければ、誰にも見られることもなく埋もれていくだけであるということを。
そしておそらく、メルセデスベンツの決断は正しいでしょう。
実際問題、昔からのメルセデスベンツのファンは、ウェブ上でアニメ動画が公開されたところで、眉をしかめるかもしれません。しかし、ファンをやめるというほどではないのです。
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