NHK朝ドラ「ひよっこ」のラスト「がんばっぺ」が響くのは?

画像: 自分自身のうれしさに従って生きられる

2017.10.07

ライフ・ソーシャル

NHK朝ドラ「ひよっこ」のラスト「がんばっぺ」が響くのは?

内藤  由貴子
一般社団法人フラワーフォトセラピー協会 代表理事

NHKの朝ドラ「ひよっこ」が高視聴率の内に終了。早くから「ひよっこロス」の声が、広がっています。この「ひよっこ」の最終回、最後に主人公のみね子が視聴者に伝えた言葉「みんな一緒にがんばっぺ」を、今、人の心に与えてくれたものを考えてみました。

10月から始まった「わろてんか」は、それらの点で朝ドラの王道のようで、対照的です。


◎何かを目指さないヒロイン

さて、このドラマの中で、何ものかになるのを目指していたのは、みね子の親友、時子でした。
彼女は、「女優」を目指し、そしてその夢を叶えました。
ヒロインのみね子は、その夢を応援する役です。

みね子は、特に何ものでもありません。
工場でもレストランでも、よく働き、与えられた仕事の習熟はめざしますが、上昇志向などはありません。

上昇志向と言えば、工場の同期で中卒で就職した豊子は、勉強ができたのに高校に行けず、働きながら高校を卒業し、いくつもの資格を取り、起業する夢を持ちます。
そんな上昇志向は、やっぱりみね子にはありませんでした。

みね子が、上京する前だったので、まだ高校生の時だと記憶していますが、
家族のだれかに将来を問われて言った言葉がとても象徴的でした。

「やることが目の前にあって、それを一所懸命するのが好き。それじゃ駄目なの?」

というようなセリフでした。

(完全に覚えていなくて申し訳ないです。茨城弁でした)


それは最後まで貫かれていて、上京しても「自分のやりたいことを見つけた!」はなく、今風に「好きなことを仕事にする」もありません。

ただ、丁寧に毎日を生き、周りの人たちを大切にしています。
でも腹をたてる時はたてるし、泣く時は泣いたりと、感情は自然に表現され、自分を抑えることもありません。家族を経済的に支えていても、家族の犠牲になっているわけではありません。

目の前のことを一生懸命にして生きている。
みね子はそんな人生を「選んで」生きているわけです。

みね子がバーで「自由って何ですか?人から見たらそんなのでいいのか、楽しくないだろうって思われても、本人が選んでるなら、それは自由でしょう?人生を選べることが自由じゃないですか?」と、いうようなことを、レストランのシェフの家で娘、ゆかに語っていたシーンがありました。(セリフ通りではなく、意味でとらえてください)

これを聞いた時、とても潔いと思いました。

なぜなら、今この時代「何ものかになれなくて、本当の私は何?」と自分探しをする人は後を絶ちません。
何かを選ぼうとして、何も選べない人が多いのです。

セラピーでも、そんなお悩みのクライアントさんは、少なからずいらっしゃいます。

実は、20代の私もそうでした。

今の時代は、何ものかになること、人生の成功こそ、上位の価値のような幻想があります。

次のページ◎ ドラマの中のそれぞれの人生像

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内藤  由貴子

一般社団法人フラワーフォトセラピー協会 代表理事

こんにちは。内藤由貴子です。花の写真でストレスを作る感情を分析、心理診断を行い、さらにその解消まで行うフラワーフォトセラピーのセラピストです。INSIGHTNOWでは、異色な存在かもしれませんね。このセラピーの普及のため、一般社団法人フラワーフォトセラピー協会を設立、講師の養成、セラピストの紹介を行っています。自身、色を使うオーラソーマ®をはじめ、セラピストとして16年あまりのキャリアです。このINSIGHTNOWでは、こころをケアに役立つようなコラムを書かせていただきます。よろしくお願いいたします。

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