定年退職後のわずかな資金。これをどう運用すれば、少しは安定した老後を過ごせるか。 先日はクラウドファンディングのクラウドバンクが有力な投資のひとつということを知り、それについて書いた。 しかし、投資先は他にもまだありそうだ。実は最近、ある証券会社の営業部員がわが家にやってきて、退職金の受け皿として、インド株を購入してみないかと持ちかけてきた。 「……インド株?」。あまりなじみがない株の銘柄に唐突な感じを受けたが、営業部員いわく、「遅れていますよ。中国はもう終わりに向かっています。ポスト中国はインドです!」と力強く宣言する。 そこでインド株って何のこと? 本当に儲かるのだろうか?を調べてみた。
飛躍的な経済成長率のインドは、魅力の投資先?
ここ10年ほど、世界の経済をリードしてきたのが中国だということくらいは素人でもわかる。あらゆるジャンルで成長を続け、経済成長率でも日本を抜いて世界第2位にまで上昇した。つい最近まで、日本の百貨店や小売店、家電量販店を席巻した“爆買い”も記憶に新しい。
しかし、その中国がいまや失速している。2015年、2016年と2度にわたって株が大暴落し、日本を含む世界の投資家を失望させた。もうこれ以上の投資はリスクが大きいと判断する投資家も多いという。
そこでいま、中国に代わる新しい投資先として投資家が注目し、証券会社が熱心に勧めているのが、インドの株だ。
インドの経済成長は、いまや世界の注目の的。ナレンドラ・モディが首相に就任して以来、まず内政が安定し、その後は経済成長に力を入れているという。
モディの経済政策はモディノミクスと呼ばれ、人口12億5000万人という巨大なマーケットを背景に、つぎつぎと新しい成長戦略を実行している。国内においては徹底したインフラ事業の整備。道路や鉄道、発電所などを急ピッチで建設し、それに関連する労働者の雇用やゼネコン企業の成長を促している。一方、海外向けには規制緩和や構造改革によって積極的に海外企業の誘致を進め、インドへの投資を促す政策を行っているという。おかげで最近では、インドの貨幣ルピーが、がぜん強くなって安定感を増してきており、世界の金融市場でも活発な取り引きがなされている。
こうしたモディノミクスの成功は確実に国力のアップにつながり、2017年の経済成長率を見ると、中国の6.58%に対し、インドは7.18%。ちなみに日本は1.25%だ。いまやインドは中国にとって代わり、世界の経済をけん引する大きな力になりつつある(図 インド、中国、日本の経済成長率の推移・参照)。
インドの株価の推移はどうなっている?
インドの経済成長率がすごいのはわかったが、では、肝心の株価はどうなっているのだろう。
インドの株価を見るには、ムンバイにあるポンペイ証券取引所に上場している、インドを代表する主要30銘柄の平均株価指数、インド株価指数SENSEXの推移(図参照)を見るとわかる。
SENSEXの推移を見ると、2014年にモディが首相に就任して以降、紆余曲折はあったにせよ、株価指数は21000から31000へと大きく伸びていることがわかる。とくに今年に入ってからの勢いはすさまじく、一本調子で右肩上がりになっている。6月下旬には、モディ首相が訪米してトランプ大統領と会談し、両国がさらなる経済発展に協力することで合意している。
こうしてみると、インド株を買うのは、ひとつの新しい投資運用の手段として妥当なのかもしれない。では、どうやってインドの株は買えるのだろう。
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