スーパーの野菜売り場に並ぶ、 きゅうり、にんじん、じゃがいも、トマト、大根・・・ などなど。 何気なく買い物をしている時には思いもしませんが、 どれも形が大きさがほぼ同じですよね。見事に揃っています。
工業製品でもないのに、
野菜の外見がほぼ均一なのはよく考えると不思議です。
でも、実は大きすぎたり、小さすぎたり、曲がっていたりする
「規格外の野菜」
は店頭に並ばないだけのことなんですね。
ある一定の大きさ・形から外れた野菜は、
販売する側としては、運搬しにくいし売りにくい。
まがったきゅうりは、
袋詰め3個売り用のビニール袋に
入りきらないこともあります・・・
一方、消費者側も、
ほとんどの人は畑で取れたばかりの野菜たちの
「不揃いさ」を知りません。
そのため、スーパーに並ぶ野菜が、
「標準」=無難なもの、良いもの
だという思い込みができあがってしまう。
そして、標準から外れた野菜に手を出そうとしなくなる。
つまり、規格内の野菜しか売れないということになるわけです。
こうして、規格外の不揃いの野菜たちは、
食べられることなく、大半が廃棄処分にされてしまうのだそうです。
そこで、こうした捨てられてしまう
野菜のリサイクル
に乗り出したのが「生活創庫」です。
(カンブリア宮殿、テレビ東京、20008/02/11)
リサイクルショップ(チェーン)を全国に約190店舗展開する
生活創庫の浜松本店では近くの農家の畑に出向き、
従来は捨てられていた規格外の野菜を買取っています。
そして、週1回土曜日、本店で朝市を開いて、
買い取った野菜の即売を行っています。
例えば、育ちすぎて通常の2倍くらい大きい大根。
スーパーでは陳列場所に困るでしょうし、
客も持ち帰るのに重すぎると文句を言う大きさですが、
生活創庫では1本50円。
大きくても、車で来てれば重さは負担になりませんね。
もちろん、味は規格品と変わりません。
安くて新鮮、大家族にはうれしい大根でしょう。
あるいはちょっと表面がブツブツしている株。
これも味には問題はないのに見た目が良くないということで
スーパーでは扱ってくれません。
生活創庫では1株100円で売ってます。
というわけで、
朝市の野菜は結構売れているようです。
生活創庫の
「野菜のリサイクル」
はまだ浜松本店だけの実験的な取り組みのようですが、
全国展開できるといいですね。
規格外野菜を売る試みは、
これまでも全国各地で細々とやってきているとは
思いますが、生ものを扱うだけに一朝一夕ではできない
難しい事業でしょうから。
野菜に限らず、合理的になりすぎた現代社会で、
「外見」だけで振り落とされてしまうモノゴトを
何らかの形で活かしてあげられる仕組みが、
あらゆる分野で求められてるんじゃないかと思います。
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2008.02.27
2008.06.24
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。