情報収集→情報分析→情報発信は一連のプロセスではなくサイクルです。 この能力を高めるための手法はどうあるべきでしょうか。
このように考えると「情報収集」「情報分析」「情報発信」という3つのつながる機能の欠如と言えます。これらの3つのプロセスは単なる一通りの流れではなくサイクルです。よい「情報発信者」にはよい「情報」がますます集まってきます。そうするとまた次の「情報発信」につなげることができます。バイヤーには、このような「情報」サイクルを回せる人材育成が望まれるのです。
このような人材を育成するためには、どうしたら良いでしょうか。分析能力は研修やOJTである程度習得することは可能です。しかしそれだけでは自発的に応用する力は備わりません。
実際の業務に中で使える「情報」があり、それを「分析」するツールがあり「発信」する機会を持たせる、これを業務の中でやらせることが効果的です。業務のやり方を変えることで人材育成を図っていくことが効果的なのです。
そしてもう一つ重要なのはKPI(主要な成果指標)になります。調達購買部門のKPIは多くの企業で「コスト削減」に関わるものが殆どです。「コスト削減」は大変重要と言えます。しかし調達購買部門はコスト削減だけしていればよい時代は終わったのです。
マネジメントや要求元の期待の一つが意味のある「情報提供」でしょう。具体的には新しいサプライヤや技術の「情報提供」だったり、市況や各国の経済状況の情報提供であったりするわけです。これらの「情報提供」ができているかどうかによって要求元の満足度は変わってきます。KPIに「顧客満足度」にかかる指標を入れても良いでしょう。
このようにバイヤーの情報にかかる3つの課題を解決するためには、「研修」「業務」「KPI」の3つをうまく活用することで意識や行動を促すようなやり方を確立し人材育成を図っていく必要があります。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。