最近調達購買に関するニュースが増えています。 それらのニュースに対してどのような感度でアンテナをたてているか、またそれらのニュースから何を感じ、何を考え、何を生かしていくか、このようなモノの見方捉え方が重要です。
米国企業にとって集中調達・共同調達は当り前のスキーム。ボトラー商売は地場産業であり、互恵の塊りとも言えますが、それに対しコカ・コーラ側が米国的なトップダウンでリーダー役となり、両社の共同調達を進めていくことも考えられるでしょう。
また、報道によると今回の件はキリンHDが提携交渉をしていることを認めているようです。キリンは元々近畿コカ・コーラの大株主であり、現在もコカ・コーラウエストの社長は近畿コカ出身の方です。キリンは現在はウエスト社の株主として名前は出てきませんが、ウエストの社長とキリンHDはかなり近い立場の方がいらっしゃるのではないか、と想定されます。そうするとリードするのはコカ・コーラよりもむしろキリン側かもしれません。
いずれにしてもトップダウンないしリーダー役の存在が上手く機能すれば共同調達の成功事例として将来紹介されるようなスキームになる可能性があるでしょう。
今後はこういった共同調達を見据えた提携のケースが増えてくるのは間違いありません。このようなニュースや事例から自社のユーザーマネジメントや集中購買推進にもヒントが隠されているでしょう。
P社のニュースからは何を考えるべきでしょうか。
最近は多くの企業で接待は原則禁止となっています(いると思います)。しかしその実態は把握されていません。実際にバイヤーの声を聞くと日本国内はともかく中国などの文化が異なる国では一緒に宴席を設けないと仕事にならないという声も多く聞かれます。
そうすると当然ながら例外が多くなります。P社でも詳細は不明ですが、ホームページなどを閲覧した限りでは接待禁止というのが基本ルールとして明示されていたのでしょう。
例外が多いとしても許可すべき例外と許可できない例外をどのように切り分けていたのかその基準があったのか、なかったのか、それとも一切禁止だったのか、興味があるところです。これは他の企業やバイヤーにとっても興味がある点でしょう。
また自社としてどのような対応をすべきなのかも検討すべきです。接待に関するルールについては購買ネットワーク会等でも何度か話題になったことはありますが、どういう業界でどのようなルールが一般的である、等の情報は殆ど共有されていません。どういうルールややり方がスタンダードなのかが判っていないのが実情ではないでしょうか。
そもそも今回のP社のニュースソースは同社の広報からというように書かれています。これも興味深い点です。どんな企業も自社の不祥事などはできれば隠したがるのでしょう。
それを敢えて公開し「便宜供与などの不正は見つかっていない」というのはやや不思議な感じがします。(様々な穿った見方もできます)
このように様々な疑問がでてきますが、結論的に言うと日本企業の調達購買部門の接待の実態について、そもそも理解できてないなと、言うことなのでしょう。
そこで、今回は改めてこのタブーとも言える「接待・贈答の現状について」アンケート調査をします。
調査結果につきましては別途またメルマガ等でご案内させていただきます。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。