就職情報会社ディスコは8月、2017卒就活(現・学部4年/修士2年)の内定率最新調査で、85.8%という数字を発表しました。この数字から読めるのは、まだ15%の学生は就活継続中だということです。日頃学生本人への講座やアドバイスをしていますが、本人ではなく「親」が今できることは何か、考えてみましょう。
・まだ募集を続けている企業はある?
昨年までと就活時期が変更になったため、一律に月だけでこの内定状況が良いとか悪いとか評価はできませんし、そもそも評価などたいした意味がありません。それよりも今まだ未内定、いわゆる「無い内定」状態の学生にしてみれば、周囲の8割以上が内定をゲットした中、相当な焦りの中で苦労しているはずです。
当然ですが仕事も勝負事も焦りは大敵。ただでさえ緊張を呼ぶ面接など、焦って得することは何もありません。しかし「焦るな」とか「リラックスしろ」というアドバイスがビタ一文本人には役立たないのは、そんな言葉をかけられた経験のある方ならおわかりでしょう。本人は焦りたくて焦っているのではありません。リラックスできるものならとうにやっています。それができなくて困っているのです。
一方こんな出遅れてしまって、応募先企業はあるのでしょうか?
安心して下さい。マイナビやリクナビといったさまざまな就活ナビサイトが今の就活においては欠かせないツールになっていますが、今現在で応募できる企業はしっかり掲載されています。しかも上場企業や伝統ある大企業の募集も見かけます。応募先は絶対にあるのです。
しかしそれでも学生は焦ります。なぜなら今、応募できる会社は「上場」とか「従業員5千人以上(大企業のカテゴリー)」などと書かれていても、社名を知らない、聞いたことがない会社ばかりだからです。つまり今まだ募集をかけている企業は、学生にとって知名度の低い企業、魅力を感じない企業となっている可能性が高いのです。社会人から見れば立派な企業でも、圧倒的に企業知識の無い学生からすれば、テレビでCMを流す、ほんの一握りの会社や、最終製品が店頭に並んでいる会社「しか」知らず、企業選択をするという、きわめて頼りない状態にあります。
・親の関与
極論ですが、私は基本的に親ができることはお金を出すことだけだと思っています。就活にはお金がかかります。まずセミナーや面接などで移動する交通費、特に一人暮らしをしている地方大生は、東京など大都市に頻繁に出かける可能性が高く、深夜バスなど使ってできるだけ費用を浮かせるにしても、他にもクリーニングや身の回りの整備など、正にいくらお金があっても足りない状況でしょう。
そうかといって湯水のごとく与えられる親ばかりではないと思いますが、深夜バスなら片道5千円で東京-大阪間を移動できます。5千円1万円という単位で臨時のお小遣いをあげれば、そのありがたみは特に沁みる時期なのではないでしょうか?
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2016.09.28
2016.11.22
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。