リーダーシップ リーダーの「存在の質」

画像: Ryota Nakanishi

2016.05.23

組織・人材

リーダーシップ リーダーの「存在の質」

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

人は居るだけで影響力を持っている。しかし、その影響力は一様ではない。 では、あなたの「存在の質」とはどのようなものだろうか? 私はリーダーの組織における存在の質について洞察してきた。 組織のパフォーマンスや様々な問題の根底にはリーダーの存在の質が深く関与している。 それは誰かの問題ではなく、私達ひとりひとりの問題なのです。

そのような状況にリーダーは危機感を持つものの、リーダーの声をほとんど誰も聞いていない。無視しているのではなく、リーダーの言葉がチームの活動にとって有益だと感じていない。興味が持てない。

結果、何となく声の大きなメンバーの意見に従い行動する。他者の意見に従っているだけなので責任感も達成意欲もない。当然、低い成果しか生まれない。

チームは成果に関心を示さない。それはなぜか。

チームメンバーが望んでいることは成果ではなく、一刻も早く終わること。どのような成果であっても終わることで目標は達成され、それなりの満足感を持つ。

リーダーはもっと高い成果にチャレンジすることを促すが、これ以上は無理と決めつけ誰もチャレンジしようとしない。

ケース3:リーダーは怒っている。いや、怒っているように見える。チームには課題に取り組む前から緊張状態が生まれている。緊張と言うよりは威圧感と言ったものに近い。リーダーは初めから高い目標を掲げ、激を飛ばす。それに呼応するようにメンバーから「やるぞ!!」と言う威勢の良い掛け声が上がる。取組が始まる。しかし、声の大きさとは対照的にチームのエネルギーは低く、表情もさえない。明らかに固くなっている。

メンバーは成果よりも失敗を過度に意識している。失敗しないことを気にするあまり回りが見えていない。他のメンバーとの連携が上手くいかない。皆、同じような状況で思うように成果がでない。リーダーは黙って見ているが、表情からは失望と怒りが見て取れる。

時々、リーダーは介入するものの明らかに視点は何が問題かではなく、誰が問題かに目が向けられている。

成果が出ない状況が変わらぬまま、取り組みは繰り返される。繰り返すたびにチームは暗く沈んでいく。

リーダーは小さく「こいつらダメだ・・・」とつぶやく。

これらは典型的な3つのケースです。


では次に、リーダーという存在を設けず、課題の説明をしてメンバーだけで行動してもらいます。ケース1ほどではありませんが、皆、和気あいあいと楽しく取り組み、ケース2、3よりもはるかに高い成果を出しました。つまり、チームはリーダーがいなくても成果を出せるのです。

さて、ケース2、ケース3においてリーダーの存在はどのような意味を持っていたでしょうか。

リーダーがチームの一員で居ることでチームの状態はネガティブになり、成果も低くなる。チームメンバーはリーダーの存在を「邪魔」あるいは「ストレス」感じる。

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齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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