旭山動物園の必然(1)

2007.04.20

経営・マネジメント

旭山動物園の必然(1)

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

日本最北の動物園、北海道旭川市の「旭山動物園」は、 ご存知ですか。行かれたことあります? 私はまだなんですが、ぜひ近々行きたいなと思ってます。 とにかく動物たちの動きが迫力満点。楽しいらしいですよね。

さて、同園の直近平成18年度の年間入園者数は、
ついに300万人を突破。上野動物園の同350万人も、そのうち
追い越しかねない勢いです。

北海道の片田舎といっては失礼ですが、
地方の一動物園が、これだけの入園者を集めるのは驚異的なこと。

というわけで、最近、「旭山動物園」を取り上げるマスコミが
増えていますね。皆さんも、あちこちで見聞きしてらっしゃると
思います。

このため、一見「ブーム」のような印象をお持ちかも知れません。
でも、決して一過性のブームではないんですね。

長年にわたる地道な工夫・努力の積み重ねの結果として
ここまで到達したのであって、マスコミが取り上げたせいで
ブームになってるわけじゃないのです。
(もちろん、ここ数年のマスコミ報道が来園者数をさらに
押し上げることに寄与しているとは思いますが)

ですから、よく「旭山動物園の奇跡」という言われ方をしますが、
私には、

「旭山動物園の必然」

に思えます。

同園についてのさまざまな本を読んでみると、
実に多くの経営・マーケティングに役立つヒントがあることに
気づきますよ。

というわけで、しばらく旭山動物園特集です。(笑)

まずは、Works81号(2007.04.05)の同園についての記事内に
掲載されていた「成功の軌跡」(時系列のできごと)を要約して
ご紹介します。

1967年 道内3番目、日本最北の動物園として開園
1983年 この年度59万7000人をピークとして来園者が減少
1994年 エキノコックス病のため一時期閉園を余儀なくされる
1995年 現園長、小菅正夫氏が就任
1996年 入園者が過去最低の26万人に落ち込む
1997年 子供たちが動物と触れ合える「こども牧場」誕生
2000年 入園者54万人。「ぺんぎん館」誕生
2006年 入園者270万人を超える(*最終的に300万人超)

94年の一時閉園、そしてその2年後の96年に最低の入園者数を
記録した時期はまさに崖っぷち。

年表では、翌年97年の「こども牧場」誕生をきっかけに
奇跡の復活を果たしたように思えますが、実は同園の人たちは
それ以前からさまざまな工夫を重ねてきていました。

つまり、ここまで来るまでには、過去20年くらいの積み重ねが
あるんです。だから、決して一過性のブームではありません。

次に同園についての関連本をご紹介。

小菅園長の経営観、というか動物園観をしっかり知りたいなら

・<旭山動物園>革命

がお勧めです。

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有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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