鹿児島県の長島町では「地域おこし協力隊」を募集しています。地域外からの視点を取り込み、地域を盛り上げてくれることを期待しています。移住を伴う働き手の募集にもかかわらず、さまざまな地域から人材が集まり、採用に至っています。そこで今回は、長島町を例に、求職者をひきつける求人票のつくり方とアピール方法をご紹介します。
長島町では、求人票の最初に長島町の副町長である井上貴至氏のコメントを載せています。井上氏は総務省の官僚ですが、「地方創生人材支援制度」を創設し、自らこの制度を利用して長島町の副町長の職に就いており、地方の地域が活性化することを熱心に考えている人物です。その井上氏の直接の言葉を掲載することにより、長島町の方針や、町おこしへの熱量、「地域おこし協力隊」に求めていること、そして何より一人で活動しているのではなく、長島町の人々と一緒に活動していることを伝えることができたのです。
<長島町の取り組み>
・長島町副町長である井上貴至氏のコメントを掲載し、長島町の方針や雰囲気、「地域おこし協力隊」に求めていることを伝える
6.魅力的な求人票をつくり上げたら、SNSで積極的に発信し、周りの人に「シェア」してもらう
生き生きとした人たちの写真を複数枚載せ、具体的な仕事内容や代表者からのメッセージ、職場の雰囲気を記載した魅力的な求人票をつくり上げたら、たくさんの人に見てもらえるように、SNS(FacebookやTwitter、LinkedInなど)を利用して広く発信しましょう。SNSで発信すると、その情報を閲覧した人が、自分の知り合いに広め、広範囲の人に情報が届くようになります。
長島町の人たちが今回つくった採用ページには、閲覧した人が簡単に1クリックでSNS(FacebookとTwitter)にシェアできる機能がついていたため、町役場の人たちや長島町を応援してくれている人たちに、採用ページを紹介してもらうよう依頼し、積極的に情報を拡散しました。その結果、Facebookで700以上の「シェア」がありました。Facebookを使うと、発信力のある人に「シェア」してもらうことで、情報を広めてもらえます。これにより、今まで情報が届かなかった人にも届くようになりました。これまでは血縁関係のある方からの応募が多かったのですが、長島町にゆかりのない方の応募が増えました。
<長島町の取り組み>
・長島町を応援してくれている人たちに採用ページを「シェア」してもらうよう依頼
まとめ
長島町の今回の採用活動で良かったのは、長島町ではこういう課題があるけれども、長島町の資源を活用して、ワクワクすることを一緒にやっていきませんかというメッセージを明確に打ち出せたところです。決して有名ではない鹿児島県の長島町ですが、これら6つの取り組みにより、他地域からの人材採用が決定しています。これまで他地域の人材を採用できるとは考えていなかった企業や自治体も、自分たちのアピール方法を見つめなおし、一緒に働ける素晴らしい仲間を増やしてください。
今回インタビューした方:土井隆さん
慶應義塾大学卒業後、楽天株式会社など複数の企業に在籍。2012年にWebサービスをプロデュースする株式会社コアースを設立。2015年10月に鹿児島県長島町の地域おこし協力隊第1号として着任。
文:冨田 有香
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