「自己責任」と言う言葉、人によっては、厳しすぎることがあるかもしれません。 セラピストとして相談を受けていく中で、頑張って生きている人の中には、自虐的に自己責任をとろうとしてる人も。その心の中で何が起こっているのか、考えてみます
こんにちは。早、2016年も1か月を過ぎました。
今回は、「自己責任」について考えます。
● アドラー心理学の自己責任
心理学ジャンルのベストセラー「嫌われる勇気」で一気に広がったアドラー心理学では、
トラウマなどが原因となって、いま問題と思っている状態に至ることはないと言います。
人は目的に従って行動しているので、今の自分の状況になると決めたのは自分。だから、それは自己責任であるという考えも広がっています。
それはそれで一つの考え方で、アリだと思います。
それに、思わず「それは「自己責任」でしょ!」と思わず言ってしまいたくなることがあるのも事実。
もう10年以上前に受けた相談ですが、ある女子大生が「サークルで、気づいたらみんなが自分によそよそしい」と言います。
思い当たることはないか、たずねてみたら、「たぶん、集合に何度も遅刻したからかも」と言いました。
「そう思うなら、それは自分にも責任があるのかな?」と言いかけたところで、
「じゃあ、私が悪いって言うんですか?」と開き直られたことがあります。
本当の理由はわかりませんが、少なくても彼女の理屈では、自分を仲間外れにしようとする人たちが悪いようでした。
● 自己責任は、時に厳しすぎる響きを持つ
一方で、「自己責任」と言う言葉が、時にその人をひどく傷つけていることがあります。
むしろ、強烈なプレッシャーをかけているといった方が、適切かもしれません。
実は、スピリチュアルなヒーリングでも、「人生で起こることすべてが、自己責任」と書かれているのもよく見かけます。
つまりあなたが、そうした状況を引き寄せたのは、あなたがそれを選んでいるから、と言うわけです。
だから「そこから目をそらせるのって、どうなんでしょう…?そこに向き合うべきでは?」
と言われてしまいそうです。それが正しいのかもしれませんが、本当に正しいとは限りません。
スピリチュアルな概念の場合、ひどい場合には「前世のカルマ」を持ちだされた人もいます。
カルマとは、簡単に言えば原因と結果。つまり原因が悪いから結果として良くないことが起こっている、と言う意味で使われています。
実際、ある女性は、アトピー性皮膚炎で長く苦しんでいましたが、「前世のカルマじゃない?」と言われ、ひどく傷ついたと言います。
生きているのは今ではすから、前世のことまで言われても… そんな自己責任まで押しつけれてはたまりません。
それをカルマで語るのは、酷というものです。
次のページ● さらに自己責任を問うのは酷な人達
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2015.07.17
2009.10.31
一般社団法人フラワーフォトセラピー協会 代表理事
こんにちは。内藤由貴子です。花の写真でストレスを作る感情を分析、心理診断を行い、さらにその解消まで行うフラワーフォトセラピーのセラピストです。INSIGHTNOWでは、異色な存在かもしれませんね。このセラピーの普及のため、一般社団法人フラワーフォトセラピー協会を設立、講師の養成、セラピストの紹介を行っています。自身、色を使うオーラソーマ®をはじめ、セラピストとして16年あまりのキャリアです。このINSIGHTNOWでは、こころをケアに役立つようなコラムを書かせていただきます。よろしくお願いいたします。