日本民族は古来より「モノづくり」をコンピテンシーとする民であり、「コンセプトづくり」が苦手である。しかし、このコンセプトの創造性なしには、国も企業も、また個人も繁栄は持続されない。
日本民族は概して、コンセプト創造を得意としません。
しかし、まったくその能力がないかといわれれば、否です。
商品先物取引というコンセプトは、大阪のコメ市場が世界の発端であるいいます。
千利休は類稀なるコンセプト創造者でした。
茶道というコンセプトを打ちたて、今日に続く美の様式を打ち立てました。
いわずもがな、ソニーは「音楽を持ち歩く」というコンセプトを
「ウォークマン」というハードに具現化させ、現代人のライフスタイルをつくりました。
(ただ、その後、アップルにお株を奪われてしまっていますが・・・
それも、その後のコンセプト展開を怠けたということでしょうか)
また、任天堂の「Wii」の成功は、家庭用ゲーム機のコンセプトを再構築したことにあります。
(かつての「ファミコン」は借り物のコンセプトの上の製品でした)
日本は、もはや「優れたモノづくり力」×「追従・模倣力」でやっていける国ではなくなっている。
これからは、「優れたモノづくり力」×「コンセプト創造力」でやっていくしかない。
しかし、その両者が掛け合わさったとき、ものすごい力が出ると思います。
さて、次回は、冒頭にあげた3つの人財要件のうち、
残りの2つ、「賢慮・美徳」「自律した強い個」について書くことにします。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
【5景】これからの時代の人財要件3
2008.01.21
2008.01.17
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。