人事評価の目的は、「処遇」と「教育」への活用です。「処遇」については、賞与や昇給、昇格などに活用している企業も多いですが、「教育」については如何でしょうか?
心理学には『ザイアンスの法則(単純接触効果)』という考え方があります。
「人は、見たり、聞いたり、触れたりする回数が多いほど、比例して好意は高まる」
というものです。チームワークを維持する上で、好意を持たれるというのは非常に
重要であり、裏を返すとコミュニケーションは量が重要である、とも言えます。
このように、人材育成やチームワークに関する見識があれば、それに沿ったカタチで
人事評価表を構成することができるかもしれません。
貴社の人事評価表は、如何でしょうか?
評価者教育を兼ねた人事評価表づくり人事評価制度を機能させるためのカギを握る
のは評価者です。評価者のレベルが高ければ、どんな人事評価表でもうまくいきますし、
逆に評価者のレベルが低ければ、人事評価表をいくら作り込んでも無駄だと言える
でしょう。
そう考えると、人事評価制度を導入・変更する際には、評価者への教育が欠かせません。
評価者のレベル向上を考えるに当たり、まず教育すべきは「評価基準の理解」です。
ただし、これが非常に難しいことで、作った基準を浸透させるには時間がかかります。
では、どういう方法があるでしょうか?
それは、評価基準をつくる段階から、評価者に関わらせることです。
実際に、様々な企業のご支援をしていると、人事評価項目自体に大きな差はありません。
人事評価項目は、
① 経営理念や行動指針など、会社が大切にしていること
② 職種(営業、製造など)毎に必要なこと
③ 役割レベル(管理職、専門職など)毎に必要な事
といった観点で作っていきますが、仕事をする上で大切なことは、各社でそれほど
変わるわけではありません。違いが出るのは、評価項目の"定義"と"評語"です。
【例】
・ 評価項目: 報連相
・ 評価定義: 報告・連絡・相談を的確に、タイムリーに行っていたか
・ 評価評語: D...報連相がなく、トラブルになることが多かった
C...報連相はあるが、遅れることが多く、トラブルになることがあった
B...業務に支障をきたさない程度には報連相を行っていた
A...報連相を積極的に行い、業務を円滑に進めることができた
S...報連相を的確に行い、トラブルを未然に防ぐことが多かった
これでも問題ない基準だと言えますが、実際に評価をしようとすると、「どの程度まで
報連相を求めるか?」「一般社員と主任級では求めるレベルが違うんじゃないか?」
「支障をきたさないレベルと、円滑に進めるレベルの違いは何か?」といった疑問が
出てきます。そういった疑問について、経営者クラスと管理者クラスで話し合いながら、
求めるべき基準を擦り合わせていくことが、評価基準を理解・浸透させるという作業です。
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