営業として成功しようと思えば、まず顧客との「課題の共有・共感」があるというのは、誰もが納得することだろう。 しかし、表面的に見えている課題に対して振り回されるセールスの現場がいかに多いことか。コンテンツマーケティングはこういう現場でどう作用するのか。
営業として(特に企画提案やコンサルティングの要素が強い営業スタイルのとき)成功しようと思えば、まず、顧客との「課題の共有・共感」があるというのは、誰もが納得することだろう。
すべての購買行動は、何かしらの課題、欲求、必要性、満足感から生まれているからだ。
ただ、多くの商品の売買の場面は、(特にコモディティー化した商品などは)課題や問題に対して顧客が解決策(ソリューション)を知っているために、その解決策そのものを指名してくる。
(課題・問題)壁紙がはがれてしまった。
↓
(解決策・ソリューション)ホームセンターで住宅用の接着剤を買う
となる。
あるいは、解決策は分かっているのだが、ソリューション自体は少しバリエーションがある場合は、
(課題・問題)プリンターが壊れた、明日までに新しいプリンターが必要だ。
↓
(解決策・ソリューション)家電売り場に行き、プリンターを探していたら、「それならこの機種がいいですよ」と提案され、それを購入する。
となる。
しかし、問題・課題がそこにとどまらない場合はどうなるだろう?
つまり、新しい課題が喚起された場合だ。顧客自身が、「私はそういう問題を抱えていたのか、問題の本質はそこにあったのか」と認識することができれば、おおげさに言えば、そこに新しい顧客(売上)が生まれることにつながる。
新たな技術革新をともなった商品によって、ニーズを喚起されることもよくあることだ。
IT関連商品や家電商品は大半がそうかもしれない。
一般生活者が、4Kテレビやハイレゾの技術的な詳しい問題などわかるはずもない。与えられた技術力の範囲の中で判断するしかないのだから。
コンテンツマーケティングに与えられていることは、コンテンツ(生活やビジネスにおける問題発見、快適な付加価値、成果につながる改善、革新…)を訴求することで、顧客の課題や問題を呼び起こして顕在化させることだ。
顧客が意識する課題や問題が変わると、提案する商品は変わる。
顧客に「麦茶が飲みたい」と言われた場合、理由はともあれ麦茶が飲みたいのだから、顧客には麦茶を提案するだろう。ここでオレンジジュースを提案していては、「君は話を聞いているのか?」となる。
しかし、本当のニーズは、麦茶が飲みたいに加えて、汗が出てのどが渇いてしかたがないということを、顧客にはっきりと意識してもらったあとならどうだろう?
提案する商品の幅はぐっと広がる。それこそ、オレンジジュースでもいいし、のどの渇きなら、アイソトニック飲料がいいですよ、と言うことになるかもしれない。
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2015.11.09