善い購買部の作り方

2015.10.01

経営・マネジメント

善い購買部の作り方

野町 直弘
調達購買コンサルタント

日本的なるものへの回帰が起こっている。これは購買の世界でも同じだ。それでは良い購買部を作るのに必要な2つのこととはなんだろうか?

それでは具体的に良い購買部を作るために必要な条件とはなんでしょう。
私は少なくとも2つのことが必要となると考えます。

一つは調達・購買部門のミッションづくりです。今年の3月に発行しましたメルマガで大手企業3社の調達部門の行動指針についてふれました。
http://www.agile-associates.com/2015/03/201534.html
行動指針でもクレド(信条)でもビジョンでもミッションでも、どんなレベルのどんな呼び方でも結構です。いずれにしても「部門長の思い」を価値観として共有させることが重要。
ミッションを持っていて価値観が共有できている企業は中長期にわたり調達部門が何を果たすべきか、そういう中でバイヤー各人がどのような役割を果たしていくべきなのか、これらを良く考えている「ぶれない芯」を持っています。これは意思決定のスピードアップにもつながることです。昨今複雑化している経済環境の元、多くの社員が意思決定をする場面が増えています。こういう場面であっても社員全員が共通の価値観で間違いのない意思決定ができる組織は強い組織です。

これも日経ビジネスオンラインの記事の情報からですが、ダイエーなどの多くの企業再建に成功しているアドバンテッジパートナーズの代表パートナーであられる笹沼氏は自身の経験も踏まえこう述べています。
「まず、きちんと企業理念なり部門理念をつくりチームと共有すること。これが会社経営、または部門運営に大いに役立ちます。心が通じあう時に組織が発揮する力は非常に大きいと思います、」と。

もう一点良い購買部門をつくるために必要なことは「仕組みで回す」ことです。多くの日本企業には(特に購買部門は)必要な仕組みが欠如しています。
例えばお客さんやネットワーク会などで多くの購買部門のマネジメントの方と話をしていて「結局は人のスキルややる気、意識なんですよね。」という会話になることがあります。
それはその通りかもしれません。それでは「人のスキル」や「やる気」「意識」を改革するために何か仕組みを作っていますか、という問いに対しては殆どの企業が「No」です。
最近はスキルについては必要なスキルを定義し、不足するスキルを育成していこうという企業もでてきています。しかし「やる気」とか「意識」改革などには手がつけられていない企業が殆どです。
「仕組みで回す」というと難しいし場合によってはお金がかかると思われますが、例えば「担当を設定して計画的に中長期で指導させる」なんていうものでもいいのです。もしくは「上長承認で徹底的に鍛える(昔は皆そうでした)」でもいいのです。そういう継続的、意図的にやる気や意識を改革する仕組みを持たない限り、人なんて変わる筈がないのです。

これらが良い購買部作りに必要なの2つの条件です。
と書いていて気がついたこと。何もこれは購買部だけの話ではないな、と。あらゆる部門運営にあてはまることですね。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

フォロー フォローして野町 直弘の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。