三菱電機のコンシューマー向けウェブサイト内に、新コンテンツ「三菱“大人”家電」がオープンした。シニア向けの家電の提案ということでは、ターゲットをほぼ同じに設定しているパナソニックの「Jコンセプト」のシリーズと似ている。だが決定的な違いがあるのだ。その違いとは何か。そして三菱の強みとは。すでに5年前に始まっている同社の取り組みから、紐解いてみたい。
ウェブコンテンツへの懸念と店頭施策への期待
現況、この三菱大人家電はウェブサイトでの1コンテンツとしての位置づけだ。おすすめ家電の紹介のほか、ターゲットとする世代に向けて『コンシェルジュサービス』を行ない、家電選びをサポートするというページもある。9月初旬現在、IHクッキングヒーターや冷蔵庫、クリーナー、炊飯器に関する質問と回答が掲載されている。回答の最後には「三菱電機ホーム機器株式会社 IH技術課 石井」「三菱電機ホーム機器株式会社 家電営業課 竹内」「三菱電機株式会社 静岡製作所 冷蔵庫営業課 榎並」というようにそれぞれの担当部署名や個人名までが書かれていて、信頼感や親近感のある作りになっていて好感が持てる。今後は「答えありき」の質問事例でなく、本音の質問と回答が充実していけばファンが増えるに違いない。
そして出来ればぜひ営業チームの力で、商談会・展示会のときのように、三菱大人家電をどこかの家電量販店の店頭で「群」で売り場を作ってみせてくれたらと思うのだ。シニア世代でもインターネットから情報を得る人が増えてきているとはいえ、店頭や冊子など紙媒体での訴求効果が多いのが高齢者だ。
突出したUD戦略が支える三菱“大人”家電。まだまだ始まったばかりだが、認知度のアップと、さらなるラインアップの強化に大きな期待がかかる。
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2015.07.10
2015.07.24
株式会社神原サリー事務所 代表取締役/顧客視点アドバイザー
新聞社勤務を経て、フリーランス・ライターに転身。マーケティング会社での企画・広報などを兼務した後、顧客視点アドバイザー&家電コンシェルジュとして独立し、2008年に株式会社神原サリー事務所を設立。「企業の思いを生活者に伝え、生活者の願いを企業に伝える」ことをモットーに顧客視点でのマーケティングを提案している。