他のことは思い付かないほど、911と言えばあのテロの衝撃を思い出します。「これは実際の映像です」とアナウンサーが繰り返していました。
今日、9月11日は「アメリカ同時多発テロ」のあった日です。
2001年9月11日朝、4機の旅客機が乗っ取られ、世界貿易センタービルに2機が、アメリカ国防総省本庁舎に1機が衝突・炎上しました。世界貿易センターのツインタワーは衝突の衝撃とジェット燃料による爆発的炎上によるダメージにより、全棟完全崩壊しました。
1機目がツインタワー北棟に突っ込んだ時、まだ人々は航空機事故だと思い、そう報道されていました。そして、現場の光景が国際中継されているそのさなかに、2機目が南棟に突っ込んだのです。NHKのニュースをリアルタイムで見ていたので、よく覚えています。
まだ崩壊する前の、炎上する北棟の光景を流していたテレビに、2機目が北棟の向こう側にある南棟に突っ込む瞬間が映し出されます。青空にそびえる超高層ビルに旅客機が衝突し、もうもうと煙をあげている。アナウンサーが「これは現実の映像です」と繰り返していました。それは確かに、ハリウッド映画の1シーンにありそうな光景でした。
その後、ツインタワーは上から崩れ始め、世界中が見守る中でほとんど瞬時に崩壊してしまいました。ツインタワーの崩壊の影響で、周辺のビル群も地下を走っていた地下鉄やバストレインも崩落し、甚大な被害となりました。
あれから14年。世界貿易センターの跡地グラウンドゼロには、新しいビル群が立ち並び、ニューヨークのオフィス街に戻りました。このテロはオサマ・ビンラディンをリーダーとするテロ組織「アルカーイダ」によって計画・実行されたと断定され、ビンラディンは処刑されました。ビンラディンの引き渡しを拒否したアフガニスタンのターリバーン政権に対し、アメリカが対テロ攻撃を開始し、断続的に続いていたアフガニスタン紛争は今に至っても終結していません。
テロも紛争も、行き過ぎた愛国心も宗教闘争も、うまく理解することができません。いつの世も、被害者の悲しみは喧伝されます。けれど、加害者になってしまう人の気持ちを理解できなければ、止めることができません。目を背けてはいけないのだと思うのです。
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