バイヤー業務には万歳がない、とよく言われますが、果たしてそうなのでしょうか?
2008年、年頭の投稿です。
明けましておめでとうございます。
昨年は購買・調達業界にとって記念すべき年でした。
坂口孝則さんの
「調達力・購買力の基礎を身につける本」「調達・購買実践塾」、
アクセンチュアの「強い調達」、弊社鬼沢の「購買管理」初め
多くの購買・調達関連書籍が発売されました。
今まででは考えられないことです。
書籍という世界を通して、購買・調達の世界に脚光があたったのです。
ただ、私自身は多少違和感を感じています。
出版された書籍の多くはテクニカルな理論書です。
しかし、バイヤー業務は理論だけでは成り立ちません。
これは多くのバイヤーに共通する理解でしょうし、
多くのプロフェッショナルバイヤーは「小さな物語」をそれぞれ持っています。
これらの物語を共有することは、
理論を覚えることよりも(理論を否定している訳ではないですよ)
重要なことではないでしょうか?
前にもメルマガで書かせていただきましたが、
「バイヤー業務には万歳がない」とよく言われます。
その理由の一つはバイヤー業務は上手くいって当たり前であり、
非常に地道な業務だからと思われます。
よくコスト削減目標の設定で
「企業全体の支出は1000億だからその10%で100億円がコスト削減目標」
という話があります。
実際にバイヤー業務をやられた経験のある方はご存知だと思いますが、
バイヤーは100億円のコスト削減を1百万円ずつ積み上げて行くものです。
つまり、小さな努力の積み上げでのみ、結果が出せます。
バイヤー業務=地道な業務、であり
「万歳がない」ことにつながりやすいのでしょう。
何かをチャレンジするバイヤーにはトラブルが多く降りかかってきます。
サプライヤの経営危機、納品トラブル、品質トラブル、
サプライヤ選定のミス等々、トラブルに対して、それぞれのバイヤーが
多くの努力をしてそれを乗り越えてきているものです。
結果はともかく、バイヤーは多かれ少なかれこういう経験を持っており、
その一つ一つがそのバイヤーが持つ「小さな物語」だと思います。
またそれを克服することでバイヤーは「万歳」を感じることができます。
しかし、「チャレンジしないバイヤーには物語は生まれません。」
成功するか、失敗するかはともかく、果敢にチャレンジしていく。
私はそういうバイヤーを支援します。
そして支援することで、多くのバイヤーに「小さな物語」と
それを克服することで感じる「万歳」を、感じさせてあげたいと思います。
私の今年の抱負です。
「バイヤーに小さな物語を!」
「バイヤーに万歳を!」
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。