2015年5月に発表され、6月から発売が開始された「バルミューダ・ザ・トースター」が快進撃を飛ばしている。平均売価が2500円程度というオーブントースターにおいて、この新製品の販売価格は税込で約2万5000円。これまでの10倍の価格設定ながら、欲しいという声は高まるばかり。テレビなどのメディアへの露出が引きも切らない。その理由はどこにあるのだろうか。
今回のトースターでは、おいしいパンの感動の原点は寺尾氏が17歳のときに放浪の旅に出た際に、スペインのロンダの町外れで食べた1個のパンだったこと、トースターにスチーム機能を持たせた理由は、社員の親睦を深めようと企画されたバーベキュー大会の日に雨に降られ、それでも決行したバーベキュー時に焼いた食パンのおいしさに気づいたから…などの数々のエピソードが披露された。
単なる開発ストーリーとも異なる、聴く人を魅了するエピソード。自分の何かとシンクロし、共感を呼び、心を満たす力。ユニークで真摯なものづくりに加え、それを伝えるコミュニケーション力の高さも顧客獲得の大きな要因に違いない。
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2015.12.01
2016.01.12
株式会社神原サリー事務所 代表取締役/顧客視点アドバイザー
新聞社勤務を経て、フリーランス・ライターに転身。マーケティング会社での企画・広報などを兼務した後、顧客視点アドバイザー&家電コンシェルジュとして独立し、2008年に株式会社神原サリー事務所を設立。「企業の思いを生活者に伝え、生活者の願いを企業に伝える」ことをモットーに顧客視点でのマーケティングを提案している。