ロジカルシンキングの中でもMECEと構造化は業務にとても役に立つというお話です。
一方で、MECEかどうか検証するために分類すると申し上げましたが、これは「構造化」という手法になります。「分類」というのは一番やさしい構造化のやり方と言えるでしょう。
この「構造化」というモノの考え方もコンサルタントは徹底的に鍛えられます。
構造化には「分類」の他にもプロセスなどの「フロー」に構造化するやり方やポートフォリオなどの「マトリクス」に構造化するやり方、分類に上位下位の概念を追加した「ピラミッド型」に構造化する方法もあります。コンサルタントはその場面場面で最適な構造化を頭の中でやっています。(もしくはホワイトボードを使ったり、文書化したりします)
よくコンサルタントと打合せをやっていると打合せした内容をホワイトボードにさらさらと纏めることがあるでしょう。これは日頃色々な情報をインプットした時、考えを整理する時、アウトプットを作る時に頭の中で構造化しているからできることです。
このように構造化して体系化することができればインタビューの力や人に伝える力
自体も向上します。それは人の話を聞きながら頭の中で構造化している(例えばマトリクスがあってそこに相手が言ったことを当てはめていく)ので相手が言いたいことが何かを理解する力や言いたいのに言えないことを引き出す力がつくからです。
同様に自分の言いたいことが構造化されていると相手に自分の考えを伝えやすくなります。
MECEよりもこの「構造化」という手法は機会や場が必要になります。そういう習慣を日常の中でつけていくことが重要だからです。私も多くの優秀なコンサルタントの構造化の手法を真似しながら経験を踏み、ようやく構造化ができるようになったと記憶しております。
今回何でこのような思考法について触れたかと申しますと、概してして調達・購買部門の人間はこの全体像を把握する、構造的に考えるということが出来ていないからです。
私も完璧にできているとは申し上げませんが、最近お客さんや他のコンサルタントの方が作成した資料をちらっと拝見させていただく機会があったのですが、拝見させていただいた瞬間、MECEになっていないな、という気づきがありました。
ヌケモレがあったり、分類も上位下位の概念がごっちゃになっている、などが気づいた点です。
資料や考え方が必ずしもMECEでなければならないかというとそうではないケースも多くあります。しかし、先ほど取上げたコスト削減のアイディア出しやスキルの定義などにはMECEは欠かせない思考法になります。そのためには出せるだけのアイディアを出す、そして簡単な構造化である分類をする、ヌケモレダブリがないか検討する、これらの一連のことを心がけるだけでアイディアが生まれやすくなります。
様々な教科書本やインターネット上の参考情報、トレーニングプログラムなどでこのようなロジカルシンキングに関する勉強ができるようになってきています。
皆さんも是非ともやってみてくだだくととても役に立つことでしょう。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。