/サンタの白い袋に入っているプレゼントは、おもちゃなんかじゃない。ほんとうにたいせつな、子供の幸せを祈る気持ちだ。/
「いいな、あんたは特殊技能があって」「おや、あなただって、お孫さんたちの幸せを祈ることはできるでしょ」「そりゃ、祈ってるよ、毎日、祈ってる。朝も、晩も、いつも祈ってるんだ」「だったら、行って、そう伝えてあげたらどうですか? お孫さんは、どこか遠いところに住んでいるんですか?」「いや、電車で数駅」「じゃあ、いっしょに行きませんか?」「あんたも疲れてるだろ。自分で行かれるよ。いまから歩いて行けば、ちょうど駅で始発だ。その前に、コンビニでクッキーでも買っていってやろう。それくらいの小銭なら私にもあるさ」「いい案ですね」
「でも、こんな朝早く行って、ボケたなんて思われないかな」「クリスマスの晩は、こんな太った年寄りが、赤い服を着て、白い袋を持って、トナカイのソリに乗ってうろうろしているんですよ。実のおじいちゃんが朝早く孫の家の訪ねるくらい、何ですか。とはいえ、長居は無用です。ただ、大好きだ、とだけ、伝えればいいんです。それがクリスマスですよ」
by Univ.-Prof.Dr. Teruaki Georges Sumioka 純丘曜彰教授博士
(大阪芸術大学芸術学部哲学教授、東京大学卒、文学修士(東京大学)、美術博士(東京藝術大学)、元テレビ朝日報道局『朝まで生テレビ!』ブレイン。専門は哲学、メディア文化論。)
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2015.07.17
2009.10.31
大阪芸術大学 哲学教授
美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。