「老いの工学研究所」のホームページに掲載したコラムを転載しました。
高齢化率は、1980年代には10%に満たなかったが、現在24%を超え、2025年には30%に達する。30年前は、10人に1人だった高齢者が、4人に1人となり、10年後には3人に1人となる。例えば、年寄りのわがままや身勝手は、10人に1人なら構わないが、3割もいれば見過ごせなくなる。だから、規範を意識し、自律的で、尊敬に値するような言動が求められる。弱者として支援や施しを受けるのをよしとしない、自立した姿も大切だ。3割もの弱者がいる社会が、楽しく、活性化しているはずがないからである。現役世代2人が高齢者1人を支えるのは無理なのだから、高齢者が戦力でいつづけるのも重要だ。高齢者は豊富な経験に基づく知恵や能力を持っているのだから、様々な形で社会や地域へ貢献できるし、それは責務と言えるだろう。このように、人口構成が変われば、高齢者の生き方も変わらざるを得なくなるという面もある。
過去からの連続ではなく、まったく新しい局面を迎えているという自覚を持って、新たな高齢者の生き方モデルを構築する。これが、急がねばならない課題なのだ。
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高齢社会
2013.11.06
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NPO法人・老いの工学研究所 理事長
高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。