携帯教育に必要な視点とは?

2007.12.17

ライフ・ソーシャル

携帯教育に必要な視点とは?

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

内閣府の「情報化社会と青少年に関する意識調査」が発表され、各紙が概要を伝えている。 やはり携帯電話の使用率の高さとサイト閲覧状況が話題の中心となっているようだ。 また、内閣府もその結果から利用教育の必要性を述べているが、本当に必要な視点とは何だろうか。

調査結果の速報は内閣府の以下のサイトからPDFで閲覧・ダウンロードできるので、一度ご覧いただきたい。
http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/jouhou5/g.pdf

メディアの伝えている側面は以下の日経のサイトで概ね代表されているだろう。
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=AS1G1500Q%2015122007
<携帯、高校生の96%使用・うち約2割は情報サイトを1日10回超利用している>

児童・生徒×携帯・インターネットという公式はどうしてもネガティブな面に目がいく。
事実、数々の問題も起きているので、それは仕方ないことであり、また必要な対策は確実に打たねばならない。だが、一方でポジティブなとらえ方をして、有効な活用方法を教えることも忘れてはならないだろう。

筆者が調査結果で気になった数字は以下だ。
<携帯電話を使っている人のうち、電子メールや情報サイトなどインターネットの1日平均の利用時間は中学生で1時間15分、高校生では1時間48分に上り、“ネット社会”の浸透ぶりが浮き彫りになった。小学校4―6年生は26分だった。>

時間的に1時間強~2時間弱の時間といばかなり長いように感じるが、利用しているのは「ホームページやブログを見る」が中学生66.9%、高校生78.2%についで、「友人の掲示板を見る」が各々39.7%、46.9%となっている。また、自分サイト更新も約20%と30%だ。
一般のサイトやブログの閲覧が一番多いようだが、友人や自分のサイトでのやりとりもそれなりの率を占めており、また、メールの使用はほぼ100%近いことからそれを含めれば、いわゆる仲間内でのコミュニケーションに使っている部分がかなり多いと言えるだろう。

自身の昔を考えると、固定電話でのいわゆる「長電話」に興じていた時期も記憶にある。ふと気づけば1時間ぐらいは経っており、親に怒られたものだ。そう考えると、そんなに長い時間ではないようにも思える。

また、携帯ではなくパソコンでのインターネット利用は「学校の宿題などの答えを調べる」が小学生7割弱、中高生が5割前後だ。小学校は正に「調べ学習」花盛りであり、インターネットが有効に利用されているのがわかる。また、中高生もその習慣がついているのだろう。
以前紹介した、「博報堂生活総研・子供の生活10年変化調査」でも、この10年で「興味のあることは自分で調べる」という回答が12.3%向上して、自立性の高まりが伺えるが、インターネットが貢献しているのも確かだろう。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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