2015.07.17
まだ東京で起業しているの?
「地方創生のススメ」編集部 (東京過疎化プロジェクト)
合同会社RegionWire
「まだ東京で起業しているの?」 なんかイケダハヤト氏っぽいタイトルですが(笑)、「日経ビジネス」2014年7月21日発売号でも「起業家が集まる過疎地」として紹介された徳島県美波町。 なぜ美波町には起業家が集まるのか?彼らは一体何をしようとしているのか? 今回はそのヒミツに迫ります。
(画像)明治時代に建てられた銭湯跡の利活用に向けて地域住民と意見交換する吉田基晴氏(左から2番目)
「課題を解決して対価をいただく、これがビジネスの基本です。その意味ではさまざまな課題が山積している地方は、都会以上にビジネスマインドを刺激するには最適な場所と言えます。都会と地方、両方を見てきた人間だからこその視点で、これら課題に一つひとつ挑んでいきたいと思います。」と吉田氏は語る。
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「自分自身の力を試したい」
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そんな吉田氏に触発されたのが、兵頭デザイン代表の兵頭将勝氏(42歳)だ。兵頭氏と吉田氏は旧知の仲だったが、サイファー・テックの美波Labに関わるデザイン業務を請けたのをきっかけに、美波町に傾倒していくことになる。
(画像)美波町起業組と一緒に田植えに勤しむStudio23 兵頭将勝氏(中央)
1990年代後半に美波町に遊びに来たことがあった兵頭氏。しかし美波Labの業務で15年ぶりに美波町へ訪れると、町の活気がすっかりなくなってしまったことに愕然としたという。
(画像)Studio23で手掛けた地元漁協のロゴマーク
元々兵頭デザインは、首都圏を中心に大手メーカーのロゴやフォントなどブランディングデザインを手掛ける、その業界では第一人者のデザイン会社だ。しかし兵頭氏は美波町の実情を目の当たりにして、大手メーカーではなく、地域に埋もれた名もない産品をデザインの力でどこまで価値向上させられるか、自分自身の実力を試したいという想いが沸々と湧き上がり、2013年7月に地域ブランディング会社「Studio23」を立ち上げた。
現在Studio23ではあわえと連携しながら、地元の漁師が自家消費していた干物や地元産品を使った加工食品などのほか、地鶏「阿波尾鶏」を手掛ける地場大手のロゴ・パッケージデザインを手掛けたり、地元の漁業組合のロゴを制作したりするなど、地元経済の活性化に向けて奮闘している。
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「これから動き出す地域だからこそ」
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前述の2社が地域を“元気”にすることを前提・目的に起業したのに対して、地域を“利用”することで価値を高めようと2013年8月に設立されたのが「たからのやま」だ。副社長の本田正浩氏(37歳)は、元々時事通信社でカメラマンやWEBデザイナーとして従事した後、ベンチャー向けメディア「TechWave」や地域の取り組みを発信するメディア「fin.der.jp」の立ち上げなどに参画してきた。しかし「発信するだけではなく、自ら地域に入り込まないと何も変わらない」という想いから、「fin.der.jp」のパートナーだった奥田浩美氏とたからのやまを立ち上げるに至った。
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